燦光洞   −名場面・名科白『指輪物語』−


 読めば読むほど味わいの増す『指輪物語』。本当に奥の深い物語だと思います。受け止め方はさまざまなれど、人それぞれに「このシーン」或いは「この一言」というものがあるのではないでしょうか。私の場合も多くのシーンや言葉が頭の中に浮かんできます。その中のベスト中のベストを選んでみようという不遜な目論見のもと、この洞を設置しました。
 とか書きながら、実はこのページの本当の目的は、皆さんご推薦の『指輪物語』「名場面・名科白」を教えていただくことなのです。いざ、すばらしき洞内をご覧じたまえ。

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最終更新日

第2層
第1層

2004年8月22日

※引用にあたっては、特に断り書きのない場合、評論社刊「新版指輪物語」文庫版(全9巻)を用いています。


 さて、言い出しっぺの責任として、まずは「私の選んだ名場面」を挙げねばならないでしょう。
 大いに悩まされましたが、やはり最終的には落ち着くところに落ち着きました。
 それは、本編のラストシーンの一言です。

灰色港から旅立っていったフロドらを見送ったサムが、妻と娘の待つ家に帰り着き、深い溜息の後に言った一言。
『さあ、戻ってきただよ。』

 フロドらとの別れをつらく思う気持ちが、彼に溜息をつかせたことは明らかです。これだけでも十分に感動的ではありますが、更にこの場面に込められたもう一つの意味を読みとった瞬間、私の胸に強く迫ってくるものがありました。
 確かに、サムは戻ってきました。しかし、彼は既に悟っていました。「指輪所持者」は旅立たねばならない運命にあることを。フロドを救うために一時的にせよ「指輪所持者」となったサム自身にも、いつか去るべき日がやってくることを。(偉そうに書いていますが、実際のところ私がこの重要な暗示に気づいたのは、『追補篇』まで読み終え、サムもまた旅立っていったことを知ってからでした。)

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