■日時 平成14年3月17日(日)午後2時開演
■会場 美濃市文化会館
■主催 美濃市・美濃市教育委員会
「小さな虫の物語」公演実行委員会
■後援 岐阜県・岐阜県教育委員会
■助成 財団法人地域創造「地域の芸術環境づくり支援事業」
美濃市長 石川 道政
本日は、親と子にささげる子どもたちのミュージカル『小さな虫の物語』公演にようこそお越しくださいました。
13年度は、文化会館25周年記念「市民の劇場」として、市民参加をいただきながら様々な分野の方々による数々の公演を開催してまいりました。市民の皆様方には、数多くのご支援をいただき、市民各位の芸術文化に対する関心の高さに敬意を表しますとともに、本事業への温かいお力添えのたまものと心より感謝申し上げます。
この『小さな虫の物語』公演は、岐阜市・大野町・美濃市の二市一町の三館合同企画で、全国でも類を見ない創意工夫されたミュージカルとなりました。キャスト・アンサンブル等、主要な役柄は県内より応募いただき、合唱は、それぞれの地元より参加いただいた児童とが三館三様で同じ『小さな虫の物語』を公演するというもので、美濃市文化会館25周年の有終の美を飾る意義深い事業といえます。
この公演にご参加いただいた地元の音楽関係者・舞台関係者・応募された出演者そして地元の園児、児童、生徒の皆さん、それぞれが厳しい練習を積み重ねられ、もてる力を存分に発揮され、素晴らしい舞台成果を披露していただけるものと楽しみにしております。
心の豊かさや生活の潤いが求められる今日、芸術文化に対する認識も日増しに高まってきております.こうした中、市民一人ひとりが自己の創造性を発揮できる環境づくりを進めるため、「市民の劇場」 では、これまでに、様々な分野の方々にご参加をいただき、市民と行政が力を合わせて舞台芸術作品上演に、取り組んでまいりました。
近年、本市のこうしたレベルの高い芸術文化活動は、文化庁をはじめ全国各地で注目されてきておりますが、このような地域に根づいた市民参加の創造活動が、地域の歴史や財産を掘り起こし、ひいては芸術文化の活性化につながるものと確信しております。
最後になりましたが、今回、三館合同企画公演として、公演の立ち上げから本日まで、様々な形でご尽力いただきました実行委員の皆様、並びに本公演に多大なご協力賜りました関係市民の皆様に心から感謝とお礼を申し上げます。
どうかご来場の皆様には、心ゆくまで音楽劇をお楽しみいただきますようお願い申し上げ、ごあいさつといたします。
一幕
ここは草むらの虫の世界。
大勢の山アリたちが、夜明けを待って唄っています。
アリヅカコオロギの兄妹がやってきました。アリヅカコオロギはアリと暮らす不思議なコオロギです。
コオロギの兄妹は、山アリの王女・ハアリと仲良くなり花の蜜をさがしに出かけました。
草むらにテントウ虫の親子がやってきました。
スズムシの夫妻が仲良く唄っています。
突然、カマキリがテントウ虫の母とスズムシの妻を襲いました。
この様子をコオロギの兄妹は悲しく見ていました。
雷鳴が響くなか、サムライアリが山アリを襲い、さなぎを奪っていきます。
雨がはげしく降ってきました。
二幕
毒グモがあたり一面にクモの巣を張りめぐらしています。
スズムシの夫が戻ってきましたが、待ちかまえていたヤブキリに倒されました。
蜜を探しに行ったハアリがもどり、コオロギの兄は、ハアリと一緒にこの草むらを出ていこうと決意しました。
コオロギ兄妹とハアリは弱肉強食のこの世界で、命の大切さ、生きることの喜びを夢見ていました。
その夢は、ヤブキリも、カマキリも、アリも、スズムシもみんなが仲良く暮らす世界です。
しかし、コオロギの妹はカマキリに襲われました。
山アリの生き残った仲間たちがハアリに駆けより、生きていこうと訴えます。
残されたコオロギの兄は、最後の力をふりしぽり・・・。
◎作曲・演奏…………………藤掛 廣幸 |
◎台本・演出…………………松岡直太郎 |
◎音楽監督……………………村井 康子 |
◎舞踊振付……………………木方今日子 |
◎演出協力……………………奥田 真弓 |
◎合唱指導(岐阜)…………葛谷 悦子 |
◎合唱指導(大野)…………国枝 敏子 |
林 真三子 |
◎合唱指導(美濃)…………家田富美子 |
◎舞台美術……………………内山 千吉 |
森 さちこ |
◎照明…………………………浅野 公蔵 |
◎音響…………………………古宇田 玲 |
◎舞台監督……………………冨田 茂雄 |
◎装置制作……………綜合舞台はぐるま |
◎衣裳デザイン………………小森有希子 |
◎衣裳製作……………………後藤かほり |
◎化粧………………………真津田美紗子 |
◎練習ピアノ(岐阜)………住 徳恵 |
岸田 笑佳 |
◎練習ピアノ(美濃)………鈴木恵理子 |
◎舞踊指導(岐阜)…………福田 晴美 |
◎舞踊指導(大野)…………木方 要 |
◎舞踊指導(美濃)…………岩田 純子 |
◎合唱指導助手(大野)……藤田 法 |
汲田 真利 |
柏原理津子 |
松浦多美子 |
◎合唱指導助手(美濃)……豊田美奈子 |
◎舞踊指導助手(美濃)……古田眞由美 |
◎舞台監督助手(美濃)……纐纈 修司 |
◎美濃サポーター……………曽我 哲之 |
後藤 康弘 |
高橋 貴子 |
庄司 年栄 |
森 高子 |
服部 栄子 |
古田さえ子 |
小栗恵利子 |
畑佐 正子 |
加藤亜紀子 |
福田 愛 |
作曲・演奏 | 藤掛 廣幸 |
| 岐阜県出身。日本音楽コンクール入賞、国際エリザベート音楽コンクールグランプリ、笹川賞作曲コンクール2年連続第一位、ほか数々受賞。交響曲、オペラ、ミュージカル、室内楽曲、合唱曲、はじめTV、ラジオ、映画のための音楽等、作曲発表した作品は多岐に亘る。「銀河交響曲」はじめ世界中で発売されているアルバム多数。編曲では、イ・ムジチ合奏団の「日本の四季」がある。シンセサイザープレーヤーとしては、フルート奏者ゴールドウェイ、ジョージ川口、小口大八らと共演。指揮者としても、NHKホールなどで活躍。 |
台本・演出 | 松岡直太郎 |
| フリーの演出家。ギリシャ悲劇「トロイアの女」をオペラ化以来、岐阜市、各務原市の合唱オペラ、揖斐郡坂内村の舞踊音楽劇、大垣市民創作ミュージカルを担当。日中国交正常化25周年記念日中合作音楽劇「太陽をさがして」の台本演出、岐阜杭州友好都市提携20周年記念合作ミュージカル「ブンナよ木からおりてこい」日中公演の共同演出。プレ国民文化祭「オペラ・ハイライト」の芸術総監督。第14回国民文化祭ぎふ'99前夜祭「紙すきのうた」の台本演出などで県文化顕彰受賞。 |
音楽監督 | 村井 康子 |
| 武蔵野音楽大学音楽学部声楽科卒。同大大学院音楽研究科声楽専攻修了、オペラコース修了。福井直秋奨学金奨学生。故浦野りせ子、故木村宏子、R・リッチ、G・F・パスティネ、岡崎雅明の各氏に師事。読売推薦コンサート、名フィルニューイヤーコンサート等出演。東京はじめ各地でジョイントリサイタルを開催。数多くのオペラに主要な役で出演。名古屋二期会を経て岐阜において創作オペラ「トロイアの女」「鏡の森の物語」「尾なし龍」等に出演。鶯谷高校、加納高校音楽科非常勤講師。 |
舞踊振付 | 木方今日子 |
| 木方今日子ダンスアート空間主宰 東京、名古屋、岐阜を中心に活動。 〈近年の作品〉 「裂」「点」「White」「オーイ雲よ」「浄瑠璃人形」「結び目「白の啓示」 表現の可能性の中に存在をテーマにダンスと向き合っている。 社団法人現代舞踊協会会員 中部支部運営委員 岐阜県洋舞家協会副会長 |
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アリヅカコオロギ・兄 北川 明菜 | アリヅカコオロギ・妹 栗田 奈美 | 山アリの女王・ハアリ 清都 有香 | カマキリ 寺林 紀恵 |
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スズムシ・夫 北 ひとみ | スズムシ・妻 後藤千穂子 | テントウ虫・母 小川 麻衣 | ヤブキリキリギリス 小森有希子 |
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サムライアリ隊長 伊藤 一城 | 毒グモ 斎藤 浩美 | |
| 井川 翔子・伊東 優希・井深 友美・小川 麻衣・高木希彩子・内藤 枝里 水谷 美穂 |
| 岩田 結衣・岡崎沙央里・近藤 沙季・鈴木ありさ・松尾 里奈・横山小百合 |
| 伊藤 舞子・大橋 由佳・市川 法子・清水 理紗・辻 真奈・成瀬由里華 広田 章子・横平 桂 |
| 鈴木 志穏・林 佑衣子・林 裕香子・古田麻友香・林 祐奈・畑佐 香奈 水野可菜依・大西絵梨奈 |
| 小栗 由果・鵜飼 祥子・江崎 華奈・須田 知子・村瀬みのり・家田 阿美 山岡 絵梨・纐纈あかね・河村 侑莉・古田 梨子・亀山 侑果・小栗 巴羽 佐藤 里帆・山口 莉奈・家田裕美子・古田美香子・猿渡 巳結・森 美月 服部 由佳・古田 朋香・西部美幸希・奥田 智勝・服部 善樹・鈴木飛羽衣 |
| 西出 未奈・庄司 彩希・古田 愛莉・鈴木 麗奈・須田 温子・高橋 和子 纐纈ゆき乃・西出 映奈・庄司 有希 |
| 木方今日子ダンスアート空間 ダンシングジェラシー 松岡玲子バレエ団 モダンダンス You Co |
小さな虫の仲間たち ―フォトアルバム―
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アンサンブル | 蝶・ホタル |
テントウ虫・子ども |
山アリ |
サムライアリ |
岐阜市が自主企画した創作オペラ「紙すきのうた」は、国民文化祭で初演して以来、翌年の県民文化祭に再演、美濃市・高山市と巡演して7,000人近い方々に観ていただくことが出来ました。
続いて制作した創作オペラ「尾なし龍」も好評で、今秋にはこの民話発祥の鶉田神社で野外公演が計画されています。この二つの作品には、地元の子供たちが出演しています。子供たちの熱心な演技と美しい合唱がとても新鮮でした。
私たちはいつか、この子供たちを中心にして舞台を作りたいと思ってきました。
幸運にも財団法人「地域創造」や日本芸術文化振興会から支援があり、岐阜市・美濃市・大野町合同で青少年活動の一環として「小さな虫の物語」を実現することが出来ました。
昨年春三市町それぞれで出演者を公募、美濃市では保育園児から小中校生まで41人の子供たちが参加して、オーディションで選ばれたソリストの方と一緒に稽古に入りました。
夏休みも冬休みも返上、週二日三日と増えていくきびしい稽古にも耐えて頑張る子供たちの姿はとても感動的でした。一人の落後者もなく今日の公演を迎えられたことが、なによりも嬉しく、最後までやりとげた一人一人の子たちは、わたしたちの宝であり誇りです。
毎日のように三市町を巡回しご指導下さいました指導者の諸先生、子供たちを支えていただいたご家族、励まし続けて下さった担任の先生に厚く御礼を申し上げます。
「この世に争いがなくなる日まで、仲良く助け合い生きていこう」と、輝く太陽のように歌い踊る子供たちの晴れの舞台を、心ゆくまでご鑑賞下さい。
「小さな虫の物語」制作担当
平成13年5月20日 オーディション実施 |
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平成13年5月31日 「小さな虫の物語」公演実行委員会設立 | 平成13年6月4日 顔合わせ |
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美濃舞踊練習 | 平成13年8月20日 岐阜市にて合同練習 |
平成13年11月11日 大野町にて合同練習 |
平成14年1月27日 美濃市にて合同練習 |
実行委員長 細野 峯代
本日は、お寒いなかをご来場下さいまして有り難うございました。
このごろは、住民参加型の自主事業として、音楽・演劇・舞踊で構成される総合芸術、オペラ・ミュージカルが全国的に盛んです。岐阜県では、国民文化祭前後に「太陽を探して」「紙すきのうた」と数々の作品が発表されて話題になりました。
その殆どの作品は、地域の音楽家によって演じられてきましたが、このたびは、岐阜市・美濃市・大野町の文化事業担当の方々と相談して、子供たちによる子供たちのためのミュージカルを企画しました。日本の未来を担うのは子供たちであり、地域の文化を支えていくのも子供たちです。
幸い、国民文化祭で好評でした「紙すきのうた」の演出・松岡直太郎先生と、作曲・藤掛廣幸先生のコンビで、子供たちが大勢登場するミュージカル「小さな虫の物語」と云う作品があることを知りました。この機会に、ぜひ上演したいとお願いして実現することが出来ました。
音楽指導は加納高校・鴬谷高校で声楽を教えている村井康子先生、舞踊指導には岐阜県洋舞家協会の木方今日子先生にお願いしました。
公募により集まった子供たちは、幼、小、中、高、大学生と音楽大学の卒業生も加えて、ほとんど舞台経験のない子供たちですが、熱心な先生方、スタッフの皆様の指導によって、九ヶ月近い稽古を頑張り抜いてきました。
稽古を通して、心身ともに成長していく子供たちを見ていますと、現代に求められる教育のあり方についても、考えさせられることが多い試みだったと思っています。
思いがけなくこのニュースは海を渡り、日中国交正常化30周年として中国でも上演したいとお招きをいただきました。
この嬉しい話題はともかく、本日は、子供たちの演じる晴の舞台をどうか最後までごゆっくりとご覧ください。
長い間、子供たちを支えて下さいました、岐阜市・美濃市・大野町文化担当の皆様に、心から厚く御礼を申しあげます。
企画:岐阜市・大野町・美濃市