2003年7月10日 

小雨で無風、気温19度の条件だが、雨の影響が少ない木なら問題ないだろう。
そう思いながら、樹液ポイントを回ってみた。(野球中継聞きながら)

雨が横殴りでなければ、樹液場も濡れないのでカブトもこんなに集まっている。
おまけにスズメバチも雨宿りしていて、近づくのに一苦労だった。

つぎに、樹液ポイントの定点観測 のクヌギCを見てみた。
この木は4年ほど前までは、まったく樹液も出ずめくれもない役立たずだったが、
ボクトウガ、ケシキスイ、コクワなどのたゆまぬ努力により、徐々に樹皮の下に
トンネルが掘られ、今年はヒラタが入ってもおかしくないほどの樹皮めくれが誕生していた。
私は「プロジェクトX」を思い浮かべた。虫たちは働き者である。「樹上の星」だ。

期待通り、めくれの間にヒラタの一部が見える。(右下が頭)
けっこうでかいが、狭い隙間にはまっており、つついても動かない。
死体かな? とも思ったが、顎が見えたのでピンセットでつかむとようやく
動き出した。10分ほどいじくりまわして、やっと引きずり出した。

オオクワのいないここらでは、樹皮めくれ内に鎮座する最高権力者はヒラタである。
このように、数年かかって樹皮めくれが「製造」され、ヒラタが常駐できる環境が
整うことがよくわかった。
こんな木が次々と発生し、新陳代謝を繰り返す林は、とても心強い。