2002年8月23日 樹液採集(埼玉県)
 物事に旬というものがあるように、採集に関してもその時期の旬(これからはヒメオオなど)を追うのが、ワンクラス上の
採集者のスタイルに違いない。しかし、今日も地元の雑木林でクワガタをしつこく追う二人の男の姿があった。
マイティホームさんのカーコンポからは、「神田川」「ひこうき雲」「木綿のハンカチーフ」など70年代を代表するカバー曲が
流れている。思えばこれらの曲を聴いたのは、ちょうどクワカブを卒業したころ。「歌は世につれ、世は歌につれ」とも言うし
「歌は時代を超えて生き続ける」などとも言う。いったいどっちなんだい? 時代的には旬ではなくても、自分自身にとって旬で
あればいいじゃあないか。クワガタ趣味の旬が外国産のレアな種に傾いたって、未だ国産ヒラタを追う人だっているわけだ。
・・・というわけで、しばし懐メロに酔っていると3月7日の第一ポイントに到着!
冷たい雨に打たれながら、傘や雨具を引っ張り出して準備完了!
▲とっても見つけやすい木なのに、なぜかほとんど手付かずのクヌギ。しかし、期待のヒラタは不在。
▲根元パックリのクヌギ。反対側にもっと大きい洞があり覗いてみたが、ノコがいるだけ。
さらに移動し、ヒラタの実績があるポイントばかり回ってみる。雨の日、しかも昼間に採集するメリットはなんだろう?
ひとつ気がつくのは、日射が差し込まないので、洞の入り口付近まで出てきている個体が多いことだ。一瞬照らして種を判別
すれば、深追いする必要もなくなるので効率的ともいえると思う。いっぽうデメリットは、カメラを取り出すのが面倒で撮影枚数が
減ってしまうこと、洞に張り付いて上を覗いていると樹液雨を顔面に浴びてしまうことなど、数限りなくあるようです。
コクワの大増殖が、カブトの小型化を暗示させる? 小さなめくれにも潜めるように遺伝子が変化していくのだろうか?
数ヶ所はしごしたところで、ようやくコナラ洞にヒラタ♂を発見! 画像はマイティさんのページにあります。
何本ヒラタの樹を見ても、移動したのか採集されたのか、姿が見られなかっただけに一安心。
なんだか夏休みの宿題を無事終えたような満足感に包まれ、日没を迎えたのであった。