ファチマの聖母御出現       
ファチマの大聖堂


 (1)概略:

 ファチマは、ポルトガルの首都のリスボンから、約150kmの所にある。1917年5月13日に聖母マリアが3人の牧童ルチアとそのいとこフランシスコとヤシンタに現われました。その後、御出現は6回あり、人類にとって重大なメッセ−ジをお与えになりました。

 最後の10月13日には6万人もの群衆が見守る中太陽が回転して何色もの光放つ太陽の奇跡が起きた。そのとき、人々は「奇跡だ。奇跡だ。」と叫んだり、各種の祈りを唱えたりした。3人の牧童たちは聖母から「罪人のために祈りなさい。毎日続けてロザリオを祈りなさい。犠牲を捧げなさい。」とメッセ−ジ(要約)を受けました。そして、牧童たちは3つの預言を受けました。それは、第1次世界大戦終決と、第2次世界大戦のことについてでありました。第3の預言については、バチカンが封印して現在も秘密のままであります。しかし、パウロ6世教皇は核戦争の危機が高まるにつれ、秘密の原文の内容をやわらげた抜粋文を各国首脳や司教団におくられました。  


 (2)ファチマ第三の預言要約:        
  
 20世紀後半において、神の大きな試練が人類の上に下るであろう。民は、神の恩恵を足蹴にし、各地において秩序が乱れる。国家の最上部をサタンが支配し、世相はサタンによって導かれる。教会の上層部にもサタンが入り込む。特にサタンは、学者の頭を混乱させる。全人類の大半を数分のうちに滅ぼすほどの威力をもつ武器が作り出される。カルジナルはカルジナルに、司教は司教に戦いを挑む。
 神の罰は洪水のときよりも悲惨である。大きい者も小さい者も同じく滅びる。20世紀後半において大いなる戦争が起きる。腐ったものは墜ちる。墜ちたものは、もうこれを支える力がない。火と煙が降り、大洋の水は蒸気のように沸き上がる。その艱難によって、地上の多くのものが破壊され、無数の人が滅びる。生き残ったものは、死者をねたむほどの艱難におそわれる。
 もし最後の時が近づいて人類自ら改心しなければ、世の苦しみは、いっそう深刻化する。善い者も悪い者も、牧者はその信徒と共に、世の支配者はその民と共に滅んでいく。至る所で死が勝利の歌をうたう。荒れ狂ったものが凱歌をあげる。かれらは、唯一の支配者サタンの支配下である。
 これらがすべて終わったのち、世は神に立ち返り、聖母マリアは、御子イエズスのあとに従った者の心を呼び起こす。キリストは、単に信じるのみでなく、キリストのために公の場所で、その勝利を勇敢に宣言する人を求めている。
 よき信徒、よき司祭は、かれらの兄弟から軽蔑され、攻撃されるだろう。隣人にむかって真理のことばを告げる者のみが真の愛をもっている。 


 (3)ファチマの牧童の祈り:

 ああ、イエズスよ、われらの罪を赦し給え。われらを地獄の火より免れしめ給え(「守り給え」でもよい。)。またすべての霊魂、ことに主の御憐れみを最も必要とする霊魂を天国に導き給え。アーメン。

 ファチマで聖母がロザリオの一連ごとに付け加えるようにと牧童に教えてくださった祈りであります。秋田でもシスタ−笹川にも同様の祈りを日本語で教えてくださいました。この2つは内容が一致するので、これは神からの啓示と言えるでしょう。なお、秋田のときには、ファチマのこの祈りの日本語訳はまだできていませんでした。

 (4)教会の承認:

 1930年10月13日、シルワ司教が3牧童の証言は信ずる値あるものとして、ファチマの聖母への信心を公に認可した。     


 (5)預言は実現するか:

 聖母マリアは、「私が参りましたのは、信者に生活を改めなければならないことと、いとも恥ずかし罪(貞潔に反する罪)を犯して主のみ心を悲しめないことと、ロザリオの祈りをとなえ、罪を痛悔し、償いを果たさなければならないことを教え諭すためです。」というメッセ−ジをお与えになりました。ファチマのメッセ−ジでは、次のことを私たちに求めています。

(1)聖母の汚れなきみ心への奉献:私たちが一切の生活を聖母のみ心に委ねることこそ神への立ち帰りの第一歩であります。

(2)ロザリオをとなえること。

(3)犠牲を献げること:神が最も喜ぶ献げもの。犠牲は各自に負わされた毎日の務めを果たすことから始まり、苦しみや困難を甘んじて忍び、精神的、肉体的禁欲を実行することにあります。

(4)初土曜日にミサにあずかり聖体拝領すること。5ヵ月続いて初土曜日を守った者には特別な恵が与えられることを約束されました。

 以上のこと心に留めて信心業に励むように努力していきましょう。ひとりひとりの努力が大きな力となっていくでしょう。このことは、これを書いている私自身十分に反省して改めていかなくてはならないことであります。

 (6)天罰は条件つき:

 人類の破滅的不幸は、条件つきの警告であって、私たちの現在の生活状態にかかっています。私たちが生活を改めて神に帰るように努めるなら、その災害は減少されたり、延期されたり、場合によっては停止されることもあり得ます。



 (7)その後のファチマの牧童たち:

 3人のうち2人は、聖母の預言したとおり、すぐに帰天した。1919年4月4日、フランシスコは帰天した。彼は、死の床で初聖体拝領をした。彼は、聖母の願いを守り、最初の聖母御出現の日から、毎日ロザリオの祈りを唱え、罪の償いのために、多くの自己犠牲をおこなった。
 1920年7月20日、ヤシンタは帰天した。聖母は彼女のもとに何日も現われました。彼女もまた聖母の願いを忠実に守り抜きました。ヤシンタは、「多くの人を地獄に追いやる罪は、肉の罪です。」とか、「永遠がどんなものであるかわかれば、自分の人生を変えるためには、どんなことでもするでしょう。」とか、「人々は、主の死について考えず、償いもしないので、滅ぼされます。」とか、「苦業と犠牲は、主を大変よろこばせるものです。」とかの名言を私たちのために残した。
 ルチアは、その後孤児院に入り、1925年聖ドロテア修道女会に入り、1948年カルメル会の修道女になった。シスタ−・マリア・ルチアは、今でも幻視がある。


(8)ファチマの御出現のメッセージへ 3人の牧童たちが受けたメッセージを紹介します。

(9)ファチマの風景へ巡礼に行った時撮った写真でファチマを紹介します。

(10)ファチマの風景2へ同じくファチマを紹介します。


(11)参考文献:

「ファチマにおける聖母マリアの警告」志村辰弥著:

「ファチマの牧童」セ・バルタス著:中山利喜太郎訳:光明社

「ファチマの聖母の啓示」ヴィットリオ・ガバッソ、志村辰弥共同訳:ドン・ボスコ社


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