浙江京劇団は1969年に創立された中国・浙江省第一級の専業（プロフェッショナル）劇団で、全国で初めて「国家級省属重点京劇院団」（省直属の国家級重点京劇団）の認定を受けた。現在は翁国生が団長および代表を務める。

創立から30年余の間、当劇団は名だたる芸術家や優れた役者を数多く受け入れ、さまざまなジャンルの作品を上演してきた。このうち、翁国生、趙麟童、張峰の３氏は中国政府・国務院特殊専家手当を給付される栄誉に浴している。翁国生は国家一級演員に認定され、舞台役者に対する国内最高賞の「梅花賞」をはじめ、「文化表演賞」「白玉蘭主演賞」「中国文化部・演出金賞」など数々の賞を受賞。また、パリで開催された中国演劇フェスティバルでは「セーヌ戯劇大賞」を受賞するなど、内外演劇界で注目を集めている。

これまで受け継いできた伝統的な作品をべースに、大型作品や古典折古劇（長編から独立させた短編劇）を多数上演。京劇の大型作品である「東坡宴」「孔雀翎」「白蛇伝」「網絡恋曲」「紅佛」「宝蓮灯」「告別迷茫」「京韵」「五朶京花」や折古劇の「禅悟」「戦金山」は、中国優秀児童劇コンクールの「最優秀作品賞」および「優秀公演賞」、中国文化部優秀児童劇コンクールの「優秀作品銀賞」および「優秀演出賞」、浙江省演劇フェスティバルの「優秀作品賞」をはじめ数々の賞を受賞した。また、劇団員らは中国中央テレビ（CCTV）の「春節晩会」（日本の紅白歌合戦のような特別番組）「元旦晩会」「世界園芸博覧会開幕式晩会」「第１回国際アニメーション・フェスティバル開幕式晩会」「中国第７回芸術祭開幕式晩会」などの様々なイベントに参加し、江沢民、朱溶基、習近平、李嵐清、李長春、曽慶紅、呉儀などの政府首脳ほか、広く一般市民の好評を博した。

近年は海外公演に向けた取り組みを積極的に進めている。翁団長はこれまで、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、日本、アラブ首長国連邦、仏領ギアナ、タイ、べトナム、香港、マカオ、台湾で公演や講演を行い、各界から高い評価を得るとともに中国文化の普及に大きく貢献している。

本夕は、浙江京劇団による「京劇特別鑑賞会」を開催いたします。

浙江京劇団は、今月29日と30日に、本市文化会館で上演する日中合同公演「太陽をさがして」にご出演のため来日されました。中国国内だけでなく、世界各国を巡演されている多忙な日々なのに、美濃市の公演に参加したいと夢のようなご提案をいただきました。ご無理を申しました翁団長を始め、派遣を承知下さいました中国政府に厚く御礼を申し上げます。

浙江京劇団は、国家認定された中国を代表する劇団であり、翁団長は京劇界では最高位の一級演員と認められた演技者であり、新進気鋭の演出家としても著名な方とお聞きしました。

今回の来日に際しても、熱心に取り組んでいただき、より多くの人に「京劇」を紹介したいと「京劇特別鑑賞会」を日程に加えて下さいました。内容は、普段は見られない京劇の化粧とか衣装の着付けを解説しながら舞台で見せていただいたり、翁団長の得意な演目である「孫悟空」を演じていただく予定です。この鑑賞会は、本邦初公開であり本市だけの貴重な催しになりました。

本日出演された全員が日中合同音楽劇「太陽をさがして」に出演されます。ぜひ、お誘い合わせの上、浙江京劇団と美濃市民が総力を結集した舞台もご覧下さいますようにお願いする次第です。ご来場、ありがとうございました。

日中平和友好条約30周年を迎えて、美濃市では中国浙江京劇団と市民参加による、日中合同音楽劇「太陽をさがして」の上演と「京劇特別鑑賞会」を開催されると承りました。

中国全土には数百の京劇団があると言われていますが、国家が認定したのは浙江京劇団を含めて僅か11団体。中国最高の専門劇団と日本の市民グループが共演する夢の舞台が美濃市で実現したのです。

さらに本日の「京劇特別鑑賞会」では、普段見ることができない舞台衣装の着付けから化粧までを公開したり、京劇の名場面を抜粋して上演されるなど、本邦初公開の試みであり、楽しみにしています。

そして、いよいよ29日と30日に、日中合同音楽劇「太陽をさがして」の公演があります。

この作品は感慨深く、十二年前の日中国交正常化二十五周年に初演された時、その舞台に注目した私は、国民文化祭前年祭に推薦して、岐阜・高山で上演しました。翌年、同スタッフが創作した美濃の紙漉きを題材にした音楽劇「紙すきのうた」を県民文化祭で上演することにしたのです。その後毎年のように「岐阜県独自の創作音楽劇」の種を、県下各地に蒔いてきたのですが、最初に種を根づかせ花咲かせたのが美濃市でした。

その実力は、公演のたびに県内外から多数の観客を集めるまでに成長されてきました。今回の公演は、その集大成であり美濃市史の貴重な一頁であります。

この日のために尽力された、日中両国の一人一人に、心からお祝い申し上げる次第です。

世界遺産となった中国伝統劇「昆劇」をルーツに急速に中国に広がり成長した京劇は、中国全土に数百団体があると言われる。その中で国家認定を受けた団体は浙江京劇団を含めて十一団体。いかに狭く厳しいか、所謂、同劇団は京劇界の名門である。

杭州西湖で有名な浙江省を拠点に、百人を超える大劇団となり中国各地で公演、ヨーロッパ・アジア各国にも進出している。団長の翁国生氏は、中国演劇界の最高位一級演員という名優であり、国内最高峰の「梅花賞」を始め数々の演技賞を受賞。海外では、パリで「セーヌ戯劇大賞」を受賞した。

京劇の普及と創造に努めながら、上海大学で話劇（日本の新劇）の演出コースを学び、最近は新進の演出家として数々の実験的な舞台を創り注目されている。

「太陽をさがして」の初演では、武打（立回り）面で演出を助け、今回は毒蜘蛛を演じながら共同演出として参加した。さらに特別公開される「京劇の魅力・浙江京劇団特別鑑賞会」では構成・演出・出演をして絶妙な「孫悟空」を演じている。