マイクホルダ、マイクスタンドのネジ

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初心者がDTM、配信などを始めようとした時、ややこしく感じるのがマイクスタンドのネジに何種類もある点でしょう。知ってればなんでもないことですがあらためて軽く説明してみましょう。
なお個人サイトのページなのでごく個人的な経験に基づいた話しか書いてありません。詳しいこと、正しいことはそれなりのサイトでご確認ください。
概論
マイクロフォンスタンドとマイクロフォンホルダをつなぐためのネジは、スタンド側が外ネジ(雄・凸)、ホルダ側が内ネジ(雌・凹)になっています。このネジには4種類の規格があり、スタンドとホルダのネジが合わない場合はネジ変換アダプタを介して取り付けます。
U5/16ネジ(JISネジ)18山/"
直径8mmくらいの細いネジです。業務用機器にはほとんど使われません。時折、アヤしげなメーカーのマイクホルダーに使われているようです。
W3/8ネジ(AKGネジ)16山/"
直径約9.5mmで上述の5/16ネジよりわずかに大きいだけですが相互にはまりません。慣れてくると見分けがつくようになりますが、慣れていなくてもあてがってみれば合うか合わないかわかるので大丈夫です。
W5/8ネジ(SHUREネジ)27山/"
直径がやや太く細かなネジが切ってあります。その名のとおりSHUREのマイクホルダーに使われており、このホルダのネジ穴にすっぽり収まって上述のAKGネジを使えるようにするイモネジのようなネジ変換アダプタがあります。このネジ変換アダプタは切り欠きのある側を外側にしてねじ込まないとあとで取り外すことができなくなります。
PF1/2ネジ(BTSネジ)14山/"
一番大きなネジです。BTS(Broadcasters Technical Standard=放送技術規格)とは、昔NHKが定めていた放送用規格の名前で、配管工事のネジと同じ規格だそうです。BTS規格は2001年に廃止されましたがソニーのマイクロフォンやマイクホルダに今でも使われていますし、高砂のマイクスタンドは製造中止となっても数多くの現場で使われていますので目にすることも多いでしょう。
ネジの呼び方について
上記のネジの名称のうち、最初のアルファベットのUとWはネジの機械的規格のW(ウィット)とU(ユニファイ)というネジ山の形状を表わす記号らしいですが、舞台音響の世界では同じ直径で形状の異なるネジはありませんので気にしなくて構いません。またBTSネジのPFとは配管用平ネジ(Pipe Flare)の意味のようです。ただしエアコン配管じゃないんだからFlareよりFlatじゃないかと個人的には思っています。次の分数はネジの直径(雄ネジ最外側の直径)をインチで表わしたものです。ただしPF1/2は0.5インチのことではなく内径1/2インチの管の外側に切るネジの意味だそうです。これも0.45インチ、0.5インチ、0.6インチというようなラインアップはありませんので深く考えないで1/2インチという名称だと思えば大丈夫です。最後の山数は1インチの長さにいくつのネジ山があるかという意味で、SHUREネジが他のネジの倍くらいの細かいピッチになっていることがわかります。
これらのネジの規格を現場でどう呼んでいるかというと配管工事の現場みたいに1/8を基準にして二分半(2.5/8=5/16)、五分なんて会話は聞いたことがありません。舞台音響、それもマイクホルダの準備は大勢が舞台仕込みで扱うものでなく、担当者が事前に揃えておいて所定の位置にスタンドを立てるだけ、マイクを差し込むだけにしているからだと思います。
ついでに
以上のほかに似たようなネジでカメラマウント(三脚)用のNC1/4(20山/")ネジがありますが、音響設備の世界では全く使いません。余談ですが、折り畳み傘の石突き(手に持つ側と反対側の先端)をはずすと1/4ネジになっていて、カメラを取り付けることができます。

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