♪こんにちは。 OOラジオ「ヒラタの憩い」の時間です。
和歌山県にお住まいの、二児のパパさんよりこんなお便りを頂きました。

「本日今夏初物のヒラタを“拾い”ました(^^ゞ
……なんだか奇妙な所で拾ってばっかりで、自分でも変な感じなのですが
報告させていただきます。
2年前63mmの♂と♀2匹をいっぺんに拾った(このときも拾ったのでした)
のと同じポイントに「2年前の奇跡はまたあるか?」と行ってみました。
(2年前の♂が☆になった寂しさで、同じようなことがあるはずがない、
と思いながらもつい、行ってしまったのです)。
と、いきなり地面で仰向けになってもがいている♀33mmを見つけ、ビックリ!
さらに数メートルはなれた溝の中にでっかい♂の死体(と最初は思った)を
発見! (中略) もちろん持って帰り、計測してみたら61mmありました。」

ヒラタの少ない関東地方の感覚では、白昼堂々、しかも地面や溝などでヒラタが拾える、というのは
極めて稀なケースです。所変われば、警戒心が強く洞に隠れる性質すら変わってしまうのか?
と疑いたくなるような変貌ぶり。
いったい、どのような植生・環境のポイントで、どんな風に見つかったのかを知りたく思い、
数日後、この奇妙なポイントを訪れたときの様子を、二児のパパさんにレポートしていただくことにしました。

2003年6月4日(水) 天気:くもり  【二児のパパ】祠ポイント
 
小売業に従事する私は、一般の人が休む土日は休めない替わりに平日に休みが取れる。
今日は次男(4歳)を連れて朝から実家へジャガイモをもらいに行き、その足で5月31日にヒラタ♂61mmを
“拾った”ポイント(祠があるので祠ポイントと勝手に名付けている)へ行ってみた。
ここは2年前にも63mmを拾った実績があるが、「なぜこんな所で採れるのか」が不明なポイントなのだ。
 その謎を解明すべく、写真を撮ってJfKさんに見てもらおうと考え、デジカメを用意して行ってみた。
ポイントは黄色の丸で囲んだあたり。真下までクルマで行けるお手軽なポイントだ。
灯火に飛んできて落下しているとしたら、手前の斜面にある看板の明かりが怪しい。
ポイントの祠は竹林の中にあり、奥にはコナラの倒木がある。
 
さっきの丸印の右端くらいから祠へ向かう道がある。(左上部の2本の木は鳥居)
 
5月31日には鳥居の手前、丸印のあたりで♀33mmも拾った。
 
鳥居を超えて「右向け右」をして撮った祠。
 
祠には近寄らず、さらに奥へ進むと……
道の横に溝が出てくる。5月31日の61mm♂はこの溝で拾った。
 
さらにさらに奥へ進むと……
道の行き止まり(2枚目写真の入口からせいぜい20メートル)になる少し手前にコナラの倒木がある。
(手前の白い部分は、倒れているため根の裏側にあたるところに赤土がからんだ「元地中」が露出しているもの。
 ストロボのせいで白飛びしてしまった)。
 
さて、この倒木がヒラタの発生源になっているという仮説を持って来てみたのだが、
青い葉もあって朽ちきっているようでもないし……。
 
倒木の先の方は朽ちているのかな? と目線を先の方にやると
いたっ!
倒木のくせにわずかとはいえ樹液が出ていた。そこに3匹のヒラタが貼り付いているじゃあ〜りませんか!
(先の方まで見える範囲は見渡したが、結局確認出来たのはこの♂3匹のみであった)。
「この樹がヒラタのご神木だったんだ。だから回りでも拾うことがあったんだ」ととりあえず納得。
 
早速撮影し、次男の虫かごを持って戻ったら一番下の1匹がいなくなっていた。
倒木と地面の接地面で隠れようとしているのを引っ張り出し3匹ともGET!
時刻は昼の12時半くらいでした。
 
次男の虫かごの中では早速ケンカが始まったので、クルマに戻って私の採集ケースに収納。
 
まさか、今日いっぺんに3匹も採れるとは思っていなかったのでラッキーでした\(^o^)/
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二児のパパさん、ありがとうございました。いかがでしたか? 関東のみなさん。
おそらく、発生源は倒木の根の部分でしょうね。倒れながらもしぶとく生きるコナラもすごいですが、
それにしても、このコナラ以外は竹林と細いカシ類ばかりのようで、採集ポイントとしてはとても貧弱な気がします。
通常の新規開拓をする感覚で考えると、まず黙殺してしまう場所ではないでしょうか。

ヒラタの個体密度が高いことがよくわかりますね。実にうらやましいです。これでもし、優良なクヌギ林に行ったら
どんな光景が見られるのでしょう。ぜひぜひ、次回は本格的なポイントへ出向いていただきましょう。
おっと、その際は傘をもっていくのをお忘れなく。降ってきたヒラタに頭を噛まれるといけませんので・・・。