2005年12月28日                     

昨日のうちに無理矢理仕事納めをし、忘年散策に出かけることにした。
銀世界で初滑り、という魅力も捨てがたいものがあったが、朝寝坊したことでその線は消えた。
車に乗り込んでエンジンをかけながら、探索先を巡り10分ぐらい思案した。
ネブト系にするか、はたまたオオクワ系かミヤマ系か・・・で頭の中は、
”里山のごった煮”状態になった。
結局、土地勘がありながら、しかもキチンと足を踏み込まずに見逃していた部分をもう一度
精査することに決めた。

関東平野は快晴。
ただ、空っ風が強くて寒く、冬支度を迎えた木々がゴウゴウと唸って怖いほど。

▲名もない、どこにでもありそうな低山が続く。


ふと近くの樹洞が気になったので覗いてみると、一瞬ドキッとさせられた。
今にも出撃しそうなオオスズメバチがいる。
ふつう、やわらかい朽木の中や樹皮の裏で越冬するはずなのに、
もろに外気に晒される状態で硬直している。

▲右側の樹種はもうお分かりでしょう。


もしかしたら死んでいるのかと思いピンセットで取り出してみると、まるで電池が切れかけたおもちゃのように
脚が超スローモーションで動く。ところが、何度も掴んで撮影するうちにハチに体温が伝わり温まってきたらしく、
だんだん俊敏な動きになってくる。ついに尻から針も出すほど元気になったので、慌てて冬眠の夢心地?の世界に
戻っていただいた。

▲こんな至近距離で”生オオスズメバチ”と見つめ合うなんて・・・


さて、以前来たことがある谷沿いを奥へ入り、斜面を見上げる。
コナラ主体で樹液が出そうな木もないので、登ることもなく引き返したところだ。

ただ、冬枯れで見通しが利くせいか、斜面の上のほうにポツンと電柱クヌギが見える。
電柱なので通常はこの瞬間に諦めるのだが、その木まで一応上がりさらに上を見上げてみて、
もうクヌギが続かないようなら完全撤退しようと決め、きつい斜面を登り始めた。
藪をこいで電柱クヌギまで上がってみると、幸いにもクヌギが谷筋よりも多いことがわかってきた。
しかも、藪がなくなり歩きやすい。

▲急斜面を上がりつつ、谷を振返る。


さらに登ると、年季が入ったクヌギがポツポツと現れ始めた。

尾根のほうにこんなにクヌギがあったとは!



ようやく樹液ポイントを発見!

▲夏にはカブトとコクワ主体で賑わっていたらしい。


あとは芋蔓式に、多数のクヌギが見つかった。
なぜか狭いエリアに集中している。

日当たり、風通しともに良く、下草もない。
最近まで管理が行き届いていたのだろう。





谷側は電柱、斜面を上がると台場風ということは、尾根筋のほうが日照時間が長く生育が早いため、
クヌギの植栽も積極的に行なっていたフシがある。
そして、なにより採集者にとってはめくれが無傷なのがありがたい。