2005年8月14日 |
大抵の人にとって、クロカナブンなどはさして気にも留めない存在であろう。
が、実は自分にとってクロカナブンは初めて自力で採集した昆虫として、その記憶が鮮烈に残っている。
5〜6歳のころ、屋敷林のシラカシのちょうど背の高さくらいの樹液に群れている個体を多数掴み取り、
虫かごに入れて持ち帰った。
今のような樹脂製ではなく四角い竹製の虫かごは、風流かつ堅牢そうでもあり、
虫が納まっている姿は様式美とでもいうのか、実に様になっていた。
頭上に風鈴が吊るされた縁側に虫かごをしばらく置いていると、底板が見る見るうちにクロカナブンたちの
大量の排泄物で茶色くなっていったのを覚えている。
その匂いたるやすさまじく、それがトラウマになったのか、以後クロカナブンを採集することはなかった。
今では埼玉の平野部でも数が激減している。ふつうのカナブンと比べると、より自然度の高い環境が
必要なようである。
運良く自宅近くの雑木林にも生息しているわけだが、この10日後に同じ樹を見ても全くいなかったので、
発生のピークは8月の初旬〜中旬という、見かけによらず賞味期限の短いヤツらしい。