2005年6月23日                       

樹液場は典型的な階級社会である。
オープン以来、あれほど我が物顔に増殖しつづけていたコクワが鳴りを潜めている。
カブトムシやノコギリクワガタなどに主役を奪われてしまったわけだが、
強いものにはあえて闘いを挑まず、頭を垂れて嵐の過ぎゆくのを待つのも、
立派な”生きていく知恵”であろう。

”石の上にも三年”、いや・・・”めくれの下にも三十日”
彼らの世界に格言があったなら、こう言い伝えられているに違いない。
私がコクワから学んだものは多い(笑)。

そういえば先日、コクワの長老が若い新成虫たちを集めてこう諭していた。
「世に秋風の立つころ、再び我らの時代がやってくる。我らは神に護られた種族なり」
(神とは人類のことで、自分たちが採集されない状況をこうカン違いしているらしい)

ますます、コクワを採集できなくなってしまった。


▲カブトムシとスズメバチに樹液を独占され、左のめくれに
退避しているコクワガタ♂