2003年8月20日 

6月23日にヒラタがいた期待のめくれを訪れてみる。
家から10キロほど離れているので、コンビニ採集派の私としては、立派な遠距離である。
結果としていないならいないで”自分の読みの甘さ”を学習するだけだが、いかないことには始まらない。
とりあえず買ってみないと当たることはない宝くじのように…。

ライトを消灯し、忍者のように息をひそめて木に近づいていく。
真っ暗闇でカメラの「ナイトフレームモード」をONにする。液晶画面にクヌギの幹が浮かび上がり、いくつもの黒い影が
着いていることを確認し、シャッターを切る。
そこで初めてフラッシュが焚かれ、極めて自然なポジションの昆虫写真がとれる。
その後ライトを照らし、期待に胸を膨らませながら個体を眺め回し一喜一憂する。この瞬間が醍醐味だ。
ところが、今回は思わず「なんだこれ!」という言葉が口をついて出た。
前回ヒラタが隠れていた樹皮が、まるでかさぶたを剥がしたように、きれいさっぱりなくなっているではないか。
カブトが多数いるので、8月を象徴するいいシーンともいえるのだが、いかんせん落胆も大きい。
風船がしぼむように一気にやる気が失せてしまい、体からエネルギーが抜けていく。
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▲上部と左下、右下の樹皮が剥がされた。左下のカブト横の黒いものには、このとき気づいていない。右は6月の写真。

うなだれながらこの木をあとにして、別のクヌギへ向かう。
かなり太いクヌギで、根元近くに樹液と洞がある。こちらは人が入っていないようで、まだノコがいる。
昨年と同じだ。


このまま帰るのも釈然としないので、もう一度先ほどのクヌギへ寄ってみる。
左下に申し訳程度残った隙間があり、そこにヒラタ♂41oを発見。
さらに、ふと根元を見ると小さな樹皮めくれがあり、念のため内側を探ると、ヒラタ♂38oが転がり出てきた。


剥がされた上部の樹皮は、下から覗き込めば奥まで見えるので、全然剥がす必要などないのだが…。
梃子でも動かないような大物でも挟まっていたのだろうか。
ピンセットや特製の掻き出し棒などなくてもかまわない。そこらへんの木の枝を使う、という発想すら浮かば
ないものだろうか?