ヒラタクワガタの採集にチャレンジ!!
台地の林でカブト、ノコ、コは星の数ほど見つかるのに、なぜヒラタ成虫には
出会えないの?…という疑問をお持ちの方のためのコーナーです。
かならず採集データ(2000年2001年)と見比べながら参考にしてください。
※…観察例が少ないため推測で論じている部分もありますがご了承ください。
基本編
 一般的に河川敷や池の周囲など「湿った場所が有利」といわれているヒラタ採集。
はたして本当にそうなのでしょうか? 乾いた台地にはいない? 確かに幼虫は湿度の多い朽木・根部に多く見られます。湿度という言葉からは、つい「水」を連想してしまいますが、「目に見える水」がなくても、湿っている場所(発生源)は台地上でもたくさんあるのです。

【チェック】湿度が保たれた発生源(幼虫の生息地)とは?
@規模の大きい雑木林(風通しが悪く地面が乾燥しにくいため)
A照葉樹林(常緑樹)の中(一年中日射があたらないため)
Bちょっとした崖下やくぼ地
Cその他
なお、成虫の飛行能力は数百mありますから、発生源から離れたさまざまなところで発見されます。
どの時期にどんなところを探せば発見の確率が高いかを、簡単に表にまとめました。
なにはともあれ、よりよい条件の時期・木・ポイントの組合せで探すのが第一です。
木の種類 ポイント
シラカシ クヌギ コナラ 洞・めくれ 樹液・樹上
6月
7月
8月 × ×
◎…最適
○…適している
△…コクワが多い

×…あまり適さない
応用編
【条件A】20:00〜21:00に探す
日没後1〜2時間後がよい。暗くなるまで待って!
【条件B】樹液が近くに出ている
越冬のあとなので、お腹がすいているはず。
【条件C】2〜3日前から気温が上昇傾向にある
これもかなり重要。気象情報(天気図)とにらめっこ。
【条件@】日中の最高気温が30℃近く(以上)である
【条件A】雨上がりで湿度が高く、ムシムシしている
雨上がり直後、というより前日でもOK。降雨直前でもいいかも。
【条件B】採集時の気温が20℃以上である
【条件C】ノコ・カブトなどのライバルが少ない

関東地方で少数派のヒラタにとって、こういう時期・場所が活動のチャンス!
【条件@】すでにコクワなどが入っていた大きな洞
6月中にコクワが入っていても、後にヒラタが奪い占領することがあるため。
【条件A】洞の中か近くに樹液が出ている
人間同様、快適な住みかには長期間(秋まで)いたくなるもの。
【条件B】細い木や高い場所にも眼を向ける
虫の気持ちや大きさになりきって、ポイントを探してみる。
シーズン・インの「隠れ家&お相手探し時期」をねらう
6〜7月の樹液(樹上)をねらう
7〜9月の隠れ家(洞・樹皮めくれ)をねらう
5月下旬〜6月中旬、新成虫として朽木から脱出したが住む家がまだ見つからず、結婚相手を探しながら木の上で外出中!というような状況です。
隠れ家が見つかったあとも、この時期はときどき樹上に現れてきます。ヒラタの場合、樹皮めくれの中などで交尾し、その後産卵のため隠れてしまうことも多いようです。
個体数の少ない関東地方の樹液場で、♀を発見するのはけっこう大変です。
【条件@】満月のときをねらう
♂と♀がそれぞれ異なる日に「樹液場」という待ち合わせ場所にいっても、すれ違いの恋?になってしまいます。1日ずれただけでも、鳥に食べられる危険性は増大。出会いのタイミングを合わせるための「夜の時計」として、自然界にあるものと言えば…お月様ではないでしょうか?