(1)概略:
聖母マリアは、1858年フランスのルルドで、少女ベルナデッタに現われた。ルルドは、南フランスのピレネー山脈の山麓にある町である。1858年2月11日から4月7日まで、合計18回にわたって御出現なさりました。「私は、無原罪の御宿りです。」と名乗られました。また、「罪人のために祈りなさい。」と言われました。
そのしるしとして、多くの奇跡がありました。特に、聖母に言われた所を掘ってみると泉が湧き出て、その泉の飲んだり、浸した病人が奇跡的に治る等のことが続発しました。今では、ルルドは有名な巡礼地となり、毎年500万人以上もの人たちが訪れます。多くの病人たち(もちろん健康な人も)が訪れ、御出現のあった洞穴の前で、ミサ聖祭にあずっかて、ロザリオを唱えています。なんと、驚くべきことに、「どうぞ、私の病気を治してください。」と祈る者がなく、「み旨のままに」と大きな声で祈っていることであります。
(2)少女ベルナデッタの証言:
私が見たのは、年頃16、17の貴婦人です。私は、今までにあの方ような美しい婦人を見たことがありません。白い着物を着て、空色の帯を締め、右の腕にロザリオをかけていました。
貴婦人は罪人の改心のため祈るよう勧められました。私は貴婦人に接した時、私のみにくい心がとても気になりました。私はそれを正直に貴婦人に申し上げました。
最後の御出現の時、私は「あなたのお名前を教えて下さい。」とお願いしました。貴婦人は神に感謝するかのように天を仰いでから、「私は無原罪の御宿りです。」と仰せになり、合掌なさいました。
聖母は私に、「この世ではなく後の世で幸せな者にしてあげます。」とお約束下さいました。洞窟に現れた優雅さ、美しさは、生涯忘れることができません。
(注)「無原罪の御宿り」は、1854年に教皇ピオ9世によって、カトリックの信仰箇条として宣言されたばかりであった。ベルナデッタは教会の教えをよく知らなかったので、この言葉を知らないし、意味を理解できなかった。このことは、この御出現が本物である証拠となり、貴婦人が聖母マリアであることが明らかになったと言えよう。
(3)教会の承認:
1862年1月18日に、約2年間に及ぶ司教区調査委員会による調査の結果、現地司教は、ルルドのマッサビエルの洞窟の聖母御出現を公的に認める教書を発布した。
(4)ベルナデッタの生涯:
1844年1月7日:ルルドにて生まれる。同年1月9日:受洗。
1858年:2月11日より18回にわたり聖母の御出現の恵を受ける。
1866年7月7日:ヌベ−ル愛徳修道会の本部修道院に入会した。
1866年7月29日:着衣式。同年10月25日:初誓願。
1878年9月22日:永久誓願。
1879年4月16日:帰天。(午後3時15分)
1933年12月8日:列聖。
現在、ベルナデッタはヌベ−ルの修道院の聖堂に安置されていて、棺の中で眠り続けている。遺体は現在も腐敗しておらず、巡礼者は目のあたりにベルナデッタを見ることができます。1994年、私はルルド、ヌベ−ル、ファチマに巡礼に行き、その時ヌベ−ルでベルナデッタを見てきました。実物を拝見してみますと、やはり言葉に言い表わせない感動がありました。機会があったらぜひ行ってみたほうがいいと思います。
(5)ルルドの奇跡の水:
ルルドのマッサビエルの洞窟にある泉から湧き出ている水は数多くの奇跡を起こし、多くの人の病気を治した。医学検証所による奇跡認定件数は、数百件にものぼっているが、教会当局から確認されたものは約60件程度であるとのこと。
(注)ルルドの水をおまじないや、薬の代わりに使うことは正しい使い方ではありません。また、この水を営利目的で使用することは禁じられています。使うときは、マリア様に対して深い信頼と愛をおこして、心から感謝して使用しましょう。
(6)ルルドの風景へ :巡礼の時撮った写真でルルドを紹介します。
(7)ルルドの風景2へ:同じく写真でルルドを紹介します。
(8)参考文献:
「天の母の警告」デルコル神父著:
「ルルドの出来事」志村辰弥編著:中央出版社(現サンパウロ)
「ベルナデッタ」ルネ・ローランタン著:ミルサン、五十嵐茂雄共同訳:ドン・ボスコ社