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巻頭言

 溶接特報第7号=阪神・淡路大震災で阪神高速神戸線の橋脚が数百bにわたって倒壊したのを契機に、コンクリート製橋脚に鋼板を巻いて補強する工事が全国的に進んでいる。すでに、完成したところも多い。鋼製橋脚の補強工事も始まった◆補強工事の方法は道路、鉄道で少し違いはあるが、完成した橋脚を見ると、板継ぎ部分でへこんでいるものが多い。側に寄ってなぞったわけではないので、正確ではないが、気になってしかたがない◆溶接部分は余盛りのために、幾分盛り上がって見えるのが本来の姿。ところが橋脚補強工事では外観重視ということで余盛りにグラインダーを掛け、その上をクリーム色で塗装し、溶接部分を隠す工法を採用した◆確かに、溶接部分が見えなければ外観は良くなる。だが、現実には板の継ぎ目をはっきり確認できる。塗料の性質や色にも関係があるのだろうが、外観重視という目的を達成しているとは言い難い◆溶接作業者の技能試験では必ず外観が評価対象になる。配点の割合も少なくない。整ったビードは、それなりに美しいものであり、また十分な継ぎ手強度の証でもある。ビードは溶接作業者のプライドにも通じる。 このビードを簡単に削って良いのだろうか◆技能オリンピックでの日本人の低迷を材料に「現場作業者の技能低下が日本の先端技術の進展に悪影響を与えている」と訴えるテレビ番組があった。久しく裏でこそこそが溶接だったが、再び脚光を浴びる時が来たようだ。

(「溶接特報」は大阪電気株式会社発行のPR紙です)


「保安と経営」・・・1997年10月号

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