Introduction



は〜りぃふぉっくす 雪の魔王編

はーりぃふぉっくす 雪の魔王編

ジャンルアドベンチャー(日本語コマンド入力式)
開発元マイクロキャビン
発売元同上
メディアカセットテープ( 1 本)
定価4,200円

シナリオ9
グラフィック9.5
サウンド8
ゲームバランス8
操作性8
ゲーム性9.5
総合9

長い長い冬がロムスの森を襲った。寒さにうち震え,次々と倒れていく動物たち。そして,その中にあの母ギツネもいた。
その日は朝からひどい吹雪だった。昼を過ぎても止む気配はなく,それどころかいっそう強くなるばかりであった。親子はここ一週間ばかり何も食べていなかったため,吹雪の中へ狩りに出かけた。
途中,子ギツネは母ギツネを見失ってしまう。子ギツネは必死で捜しまわり,やっと母をみつけた。しかし時すでに遅く,母ギツネは息絶えていた。寒い寒い夜のことだった。
子ギツネは,やり場のない悲しみを一人の少女への思いに託す。少女の名はマリ。1 年前,母を追い雪の中に倒れた子ギツネを祖父ジークの所へ運び,優しく看護してくれた,あの少女。あの少女に逢いたい。
雪の止んだある日,子ギツネは降り積った雪の中をシタンの町へ向け走り出す。

以上,マニュアルより抜粋

 「は〜りぃふぉっくす」の続編。前作では最後に少しだけ登場した子ギツネが,本作の主人公となる。

 物語はシタンの町から始まる。マリの姿を求めて町をさまよい動物たちと会話をしていくうちに,子ギツネはマリが "雪の魔王" にさらわれたという事実を知ることになる。同時に,シタンの町やロムスの森を襲った寒波も "雪の魔王" の力によるものだということも。子ギツネは,マリを助け出すべく "雪の魔王" の城を目指して走り出す。

 動物たちと会話を重ねて行くうちに道が開けて行くという,前作と同様の形式のファンタジーアドベンチャー。冒頭の舞台が雪に覆われた町ということで白を基調としたおとなしい画面構成となっているせいもあってか,グラフィックは前作のほうがよかった印象を受けた。いずれにせよ,PC-6001 シリーズとして十分すぎるほどに美しいことには変わりはないのだが。サウンドは皆無といってもいいのだが,ほとんど唯一という "雪の魔王" の居城の扉を開ける笛の音が実にいい味を出している。ちなみにこの曲はタイトルで流れるものと同じなので,ゲームを解いていない方でも「ああ,あの曲か」とご理解いただけるだろう。

 ところで今ごろになって気がついたのだが,本シリーズを通して登場する名称にはアイヌのものと思われるものが多々見受けられる。何だかこういう作品には,アイヌが妙に似合っていると感じるのは気のせい?
('97/12/23)


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