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は〜りぃふぉっくす |
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ジャンル | アドベンチャー(日本語コマンド入力式) |
開発元 | マイクロキャビン |
発売元 | 同上 |
メディア | カセットテープ( 1 本) |
定価 | 4,200円 |
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シナリオ | 9 |
グラフィック | 10 |
サウンド | -- |
ゲームバランス | 7.5 |
操作性 | 8 |
ゲーム性 | 9.5 |
総合 | 10 |
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むかし,ロムスの森という所に,大変仲のいい母ぎつねと子ぎつねがいました。ある時,子ぎつねが「ロムス病」という病気にかかってしまいました。ロムス病にかかると絶対になおらないという伝説があり,実際,今までにもこの病気にかかった者はなすすべもなく死んでいった。母ぎつねはどうすることもできなく,ただ看病するだけだった。
その時,母ぎつねはむかしおばあさんぎつねに教えてもらったことを思い出しました。
"おまえがなぁ,母ぎつねになるころにゃ ロムス病という絶対になおらないという病気がはやりだす。ええかぁ もしもお前の子供がこの病気にかかったら,リール神社にかくされている油揚げをくわしてやれ..."
おばあさんぎつねは未来をも知っているような口調で,この不思議な話をいつも母ぎつねに話した。 |
以上,マニュアルより抜粋
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いまとなっては過去の遺物となったコマンド入力方式を採用したゲーム。この手のソフトの常として,難解なコマンドを入力しなければならない場面も出てくるが,基本的にはそれほど難しくもないだろう。いきなりゲームオーバーになってしまうトラップなどは,いまのゲーマーには受け入れられないものかもしれない。そして,何よりも印象的だったのは動物の立場から見た人間の存在。いきなり銃で撃たれたりと,非常に冷酷な人間像にはショックを受けたものである。
我が子の身を案じて旅立つ母ぎつね,森や村に住む動物との会話,動物にとっての一番の敵はいたるところにいる人間たち...。全編を通して流れる叙情的なシナリオを PC-6001 シリーズとして奇跡ともいうべき美しいグラフィックで描き出す,ファンタジーアドベンチャーの傑作中の傑作。筆者が,本作を含むマイクロキャビンファンタジーアドベンチャー 3 部作(*)から受けた影響は計り知れない(*:「は〜りぃふぉっくす」「は〜りぃふぉっくす 雪の魔王編」「セイレーン」。以上,筆者が勝手に 3 部作と呼んでいるだけ)。
ファンタジーというと,いまのゲーマーは剣と魔法の世界を連想するかもしれない。が,本来「ファンタジー」という言葉の意味はもっと広いもののはずだ。ケルト民謡などに登場する戯れる妖精たち,童話に見られる喋る動物たち...。あらゆる情報がものすごいスピードで飛び交っている情報化時代の現代にこそ,心の安らぎとなるファンタジーが必要なのかもしれない。普段の忙しい生活からは,そんなことにすら気付く余裕がないのは悲しいことだけれども。いつか機会があったら,このようなゲームを作ってみたいと心底願っている今日この頃なのである。
('97/12/18) |
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