NEC PC-6001mkII/6601


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栄光のPC-6001 Series
 PC-6001mkIIは,NECが発売していた8ビットパソコンです。前身のPC-6001(愛称は”パピコン”)の後継機種で,6001の曲線的な可愛らしいデザインから一変して角張った近未来的なフォルムとなりました。ビジネスユースのPC-8801シリーズなどとは違い,ホームユースを意識した10万円前後(ちょっと記憶がない)の価格設定も影響して,当時かなりの数のユーザーを獲得しました。
 音声合成機能の搭載,低価格ながら漢字ROMを搭載,豊かなサウンド表現能力など,いろいろな話題を振りまきましたが,このマシンの地位を不動のものにしたのが当時アーケードゲームで絶大な人気を誇っていた「XEVIOUS」の移植でしょう。「移植は不可能」とまでいわれていた「XEVIOUS」を,「ゲーム画面はより細かく,よりきれいに」という当時の常識を覆して「ドットを荒くしてでも動きを確保する」という発想で,機能的には一番低クラスのPC-6001での移植を実現したのです。ほかにも,「グロブダー」「スペースハリアー」などのアーケード人気作の移植を最初に実現したのも当機種です。

フロッピー内蔵型のPC-6601
 PC-6601は,PC-6001mkIIに3.5インチ1Dマイクロフロッピーディスクユニットを1台搭載したマシンです。フロッピーディスクは増設可能で,最大2台までを内蔵することが可能でした。まだカセットテープが記憶媒体として全盛を誇っていた時代,フロッピーディスクは8インチから5.25インチのミニフロッピーディスクが主流になりつつあった当時としては3.5インチのユニットは目新しく,人目を引くのに十分なインパクトがありました。同時に,本体に添付されていたアドベンチャーゲーム「コロニーオデッセイ」はフロッピー3枚組という大容量を駆使して,きれいかつ豊富なグラフィック,華麗なサウンド,音声合成機能のフル活用,シナリオの良さなど,PC-6601のデモンストレーションという意味合いの枠を遙かに越えて当時のアドベンチャーマニアから絶賛されるほど完成度の高いゲームに仕上がっていました。ちなみにこのゲーム,本体添付分は「冒険編」と名付けられ,別途フロッピー3枚組の「対決編」を購入しなければ完結しないという,なかなかうまい商売をしていたことも印象に残っています。
 PC-6601の機能は基本的にはPC-6001mkIIと大差ないのですが,フロッピーディスクを標準搭載したことによりディスクBASICがついていたように記憶しています。搭載BASICもN60m-BASICからN66-BASICへと拡張され,「しゃべる」ほかに「歌う」ことができるようになっていました。

そしてSRへ...
 PC-8801から始まったNECの「総SR化計画(筆者が勝手にこう呼んでいるだけです)」も,ついに6001シリーズにまで波及しました。他のSRと同じく6001mkIISRシリーズも,新たにFM音源を搭載してより迫力のあるサウンド再生が行えるようになっていました。ほかにも,スーパーインポーズ機能の搭載や(もしかしたらPC-6601SRだけだったかも。当時,標準でスーパーインポーズ機能を搭載していたのはX1シリーズくらいだった),グラフィックまわりが強化されていたような気もしますがこの件については記憶が定かではありません。当時友人がPC-6001mkIISRを購入したのですが,そのときにはすでに6001シリーズもハードとしての使命を終えつつあった時期なので,なぜ素直にPC-8801やシャープのX1,富士通FM-7/77などにしなかったのか疑問に感じたことを覚えています。
 PC-6001mkIISRはパピコンの原点に戻ったかのように,6001mkIIの角をとって丸みを帯びたデザインになりました。個人的には6001mkIIの角張ったフォルムの方が好きでしたが...
 PC-6601SRはそれまでのキーボード一体型のボディから高級感のあるセパレートタイプに変更され,本体とキーボードはワイヤレスの赤外線接続という近代的な機構が採用されました。記憶媒体のフロッピーディスクは3.5インチ1DDドライブ1台に強化され(最大2台まで内蔵可能),より大容量のデータを扱えるようになっていました。また,6601SRは専用テレビディスプレイとのデザインの統一や,本体カラーにワインレッドとブラックメタリックの2色を採用するなど,かなりX1を意識したのではと思わせる製品構成だったのが印象的でした。



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起動画面(11KB)N66 BASIC 起動直後(9KB)


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補足事項
以下は,当時の雑誌記事からの抜粋です

PC-6001
 とにかく,すごい人気のパソコンです。
 それまでの「電子計算機!」というイメージから,「ボクにも使えるパソコン!」という,まったく親しみやすいスタイルで登場したベストセラー・パソコンが,このPC-6001です。
 とにかくたくさんのユーザーがいるので,ソフトもいっぱいあり,電波新聞社が発売したTINY XEVIOUSは,数万本!! という空前のヒットを記録しつつあります。
 機能は高級機とくらべるのはかわいそうですが,だれもが不可能だと考えていた,パソコンへのゼビウスの移植を実現したのが,このPC-6001です。
 プログラマーのウデしだいで,ソフトはできるのだということをまさに証明しています。プログラムをした松島氏も,本誌の熱心な読者で,「プログラム作りの重要なヒントは,ベーマガの記事の一節がキッカケだった」と語っています。
 さあ,みなさんも,松島さんに負けずに,ガンバリましょう。

PC-6001mkII
 話せる!漢字る!がキャッチフレーズのすごいパソコンが,このPC-6001mkIIです。もちろんPC-6001のソフトはすべて走ります。
 6001との大きな違いは,画面構成が32文字×16文字/258×192ドットの他に,40×20文字/320×200ドットにグレードアップした点と,スタイルが角ばってナウイ感じになった点です。
 もちろん,音声合成でおしゃべりができること,感じが入っていることも,大きな特徴です。
 PC-6001mkIIに入っている漢字は,1024文字もありますから,ヒョットすると,キミよりおりこうさんかもしれませんよ。
 サウンドは,8オクターブ3重和音です。
 メモリはRAMが64KB,ROMが96KB実装とよゆう十分,多くのソフトを十分に楽しめます。
 モードは5種あり,1はPC-6001の16K,2はPC-6001の32K,3は拡張BASICの16K,4は拡張BASICの32K,5がN60M BASIC......PC-6001mkIIのBASICです。特に指定のないものはモード5のページ2で入力してください。
 なお,PC-6601の人も,このプログラムは走ります。

出典 「マイコンBASIC MAGAZINE DELUXE VI」
電波新聞社刊


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