|
|
|
ジャンル | 恋愛シミュレーション |
発売日 | 1997年6月6日 |
開発元 | 徳間書店インターメディア |
発売元 | NECホームエレクトロニクス |
定価 | 8,800円 |
購入日 | 1997年6月5日 |
購入店名 | メッセサンオー |
購入価格(税抜き) | 7,800円(7,429円) |
|
シナリオ | 8 |
グラフィック | 6.5 |
アニメ(画質) | 7 |
アニメ(動き) | 4 |
サウンド | 6.5 |
ゲームバランス | 8.5 |
操作性 | 8 |
ゲーム性 | 9.5 |
総合 | 9 |
|
浮気は許されない? |
小・中・高・大学生という4つの舞台からひとつを選択し,その年代での初恋を実らせることを目的としたシミュレーションゲーム。数ある恋愛シミュレーションゲームとは違い,1回のゲーム中では1人の相手しか攻略できない。これは,フラグが重なるとかいう問題ではなくゲーム開始時に初恋相手を1人選択することにより,以後そのキャラクターのみを相手にシナリオが展開するようになるからだ。
ゲーム中の相手が1人に絞られるということで途中で退屈してしまうことに不安を感じていたが,実際に遊んでみてそのような心配は不要だったことがわかった。相手を1人に限定することでキャラクターの個性が浮き彫りになり,シナリオはその深みを増すことになった。また,1回のプレイ時間を3時間程度に押さえることで(ただし,いま現在遊んでいるのは小学生編のみなので,ほかの年代については確証がない),途中で飽きて放り出してしまうようなこともなかった。 |
グラフィックの弱さは致命的 |
キャラクターデザインは「吸血鬼美夕」などの作品を手がけた垣野内成美さんが行っている。繊細なタッチの絵柄は最近の流行からは外れているような気もするが,独特のゲーム内容と相まって個性的な作品に仕上がっている。惜しむらくは画像の取り込み方が悪いのかFXの限界なのか,画面で垣野内キャラの魅力を再現しきれていないこと。また,同様にアニメーションについても出来の悪さが気になった。どうやらムービー部分はセル画をスキャナで取り込んで作ったらしく(最近知ったのだが,ゲーム上でのアニメの作り方は2種類あるとのこと。ひとつはいったん映像化したものを取り込む方法で,もう一つはセルを直接取り込んでレイヤのような感覚でパソコン上で合成していく方法),その過程でのジャギが全然とれていないのとアニメ化作業の不手際なのか,動きがコマ落ちしているように非常に不自然になる部分が多々見受けられる。その悲惨さたるや,オープニングムービーを見ているだけでも一目瞭然で,FX全ゲーム中でもかなり出来の悪い部類に入るのは間違いないだろう。 |
FXゲームの最高峰 |
が,以上の欠点を差し引いてもこのゲームの魅力は有り余るものがある。よく考えられたゲームシステム,飽きさせないシナリオ,手軽に遊べるプレイ時間,各キャラクターごとに作られたテーマソング,マニュアルの出来(各キャラクターごとに,演じた声優からのコメント付き!)... 本作のヒロイン高瀬祐花役の声優,高橋美紀さんのコメントとして「こんなに素敵な作品に出逢えたこと−−心からうれしく思っています」とあるとおり,久々にFXを持っていてよかったことを実感した作品だ。ただ,実際に遊んでみないとこのゲームの良さはわからない。店頭デモだけでは本作のすばらしさが伝わらないだろう(それどころか,前述のようにムービーの出来の悪さでクソゲーと思われても不思議はない)。FXを引っ張っていくだけの力を持っているビッグタイトルだけに,残念だ。
ところで,ゲームで遊んでいる最中に何度かハングアップすることがあった。人に聞いてもとくに問題は発生していないようなので,筆者のFX本体固有の問題なのかもしれないが,再現性のある飛び方も見受けられたのは気になるところだ。CDクリーナーを使用しても効果はないし,原因はなんなのだろうか? 1時間で4-5回も電源を入れ直さなければならないようではとても遊んでいられないのだが... |
万人に楽しめるゲーム |
恋愛対象が女性だとはいえ,決して男性向けのゲームではない。女性が遊んでも十分に楽しめるだけの作品に仕上がっている。大勢の人たちに遊んでもらいたいゲームなのだが,店頭では最近はFXというだけで見向きもされなくなりつつあるようだ(秋葉原などで見ているとわかるのだが,FXの店頭デモなど誰一人として見向きもしないのが現状だ。ただしこれは平日の話だけど)。ここはぜひ,プレイステーションやセガサターンに移植を行い,より多くの人々がこのゲームに触れられる機会ができることを願ってやまない。
1997/7/14 |