ロルフィーの玉手箱

32ビットゲーム機,PC-FXに関するページです


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PC-FXとは?
PC-FXはNECホームエレクトロニクス(株)(以下NEC HE)より発売されている,32ビットゲーム機です。性能に関する詳しいことはこちらを参照してください。

不遇なマシン
PC-FXはセガサターンやプレイステーションと同時期に発売されたゲーム機です。が,本体発売直前になっての発売日の変更や当初のタイトル不足,そして本体発売後に発表された新規リリースタイトルの極端な不足などが災いし,いち早く新世代機競争から脱落してしまいました。

FX 後日談
自然消滅するかと思われたPC-FXですが,NEC HEはFXの威信を懸けて(?)「アニメ戦略」を打ち出しました。この戦略は30フレーム/秒の動画再生機能を持つFXの特徴から見ると別段不自然なことではないのですが,結果として「FX=アニメオタクのハード」という印象を形作ってしまったことは否めません。しかしまた,同時に根強いFX支持層を生み出したのも確かで,その後細々とではありますが着実にハードは普及しているようです。

普及計画
思ったよりもFXが売れていることに気をよくしたのか,NEC HEは無謀にも「FX50万台普及計画」を発表します。結局この計画は成功したとは言い難い結果に終わりました。最近では新作タイトルの発表もなく,普及計画どころかFXの市場は風前の灯火となっております。

今後に向けて
さて,他機種と覇を競うにはあまりにも差をつけられてしまったPC-FX。今後の展開として,どのようなものが考えられるでしょうか?
  1. オリジナルの超大作ともいえる作品を作り,一気に起死回生を狙う
  2. あくまで独自路線を突き進み,固定ユーザーを確保する
  3. FXの拡張キットを出す
  4. 早々にFXに見切りをつけ,新機種を投入する
  5. ゲーム市場から完全撤退する
このうち,既存ユーザーにとって一番うれしい展開は1.でしょう。が,この方法はまず実現不可能です。2.の方法はいま現在NEC HEが試みているのですが,本気で取り組んでいるのかどうか疑わしく,このままでは固定ユーザーの確保どころか既存ユーザーのFX離れを加速させかねません。3.は一番現実的な案だと思うのですが,どうやら実現しそうにありません。4.は今後のFXの展開というには変ですが,FXの現状を考えるとこれが一番よい方法かと思われます。新機種となるならば,時代の流れとしてポリゴン機能ははずせないでしょう。もちろんFX以上の動画再生機能もつけてほしいですが。5.についてはまったく悲観的な展望ですが,NEC HEの現状からはあながちないともいいきれません。一番避けたいシナリオですが。うーん,今後FXはどうなってしまうのでしょう?

最後に
最後になりましたが,なんだかんだけちをつけながらもFXの稼働率は一番高かったりします。遊んでいて気になることも多々ありますが,動画のクォリティを重視するならば現状ではFX以外の選択肢は考えられないでしょう。また,発売されているゲームもそれなりに良質なものが多く,このまま終わってしまうには惜しいマシンなので是非ともがんばっていって欲しいと思います。今後のNEC HEによるFXの商品展開に大いに期待しています。



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用語解説

発売日の変更
細かいいきさつは忘れてしまったが,何らかの問題が発生して本体発売日直前になって急遽,発売日が1か月ほど延期になったと記憶している。余談だが,当時はFXを買う予定などまったくなかったので,「ふーん,そうか」程度にしか感じなかった。
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タイトル不足
FXの名誉のためにいっておくが,セガサターン(SS)にしろプレイステーション(PS)にしろ,本体と同時発売されたソフト数はFXと大差はないはずである。問題だったのはむしろそのタイトルの弱さであろう。前者の2機種が,それぞれ「バーチャファイター」「リッジレーサー」という,アーケードで人気のあった著名作品を移植してきたのに対し(しかも家庭用ゲーム機で初! あれ,「バーチャ」の32X版っていつ発売されたんだっけ?),FXは売りになるタイトルに欠けていた。唯一の移植作品「卒業II FX」も,何もFXでやらなければならないようなものでもなかったし。ただ,この姿勢は必ずしも非難されるべきものではない。オリジナル路線自体は高く評価されるべきだし,実際あとの2タイトルである「バトルヒート」「チームイノセント」の出来は非常に高かった。やはり問題は,なぜあえてSSやPSと発売時期をぶつけたのかという一言につきるだろう。
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新規リリースタイトルの極端な不足
FXの商品展開における最大の失敗点は,やはりこの点だろう。そのうえ,発表されるタイトルのなかに一般受けしそうなものがほとんどなかったのも問題である。いったいNEC HEはFXという商品を,どのような位置付けで考えているのだろうか? 「当社では営業活動の一環として,ゲーム(ゲーム機)の開発も手がけています」くらいにしか考えていないのであれば,ユーザーにとってはいい迷惑である。
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新世代機競争
3DO,セガサターン,プレイステーション,PC-FX,NINTENDO 64をして「次世代機」「新世代機」などと呼ばれていた時期があった。このうち,3DOはいち早くに市場に投入されながらもまったく日の目を見ないまま消滅してしまったのは周知の事実である。NINTENDO 64は当初ソフト不足から,不発に終わるのではないかと思われたが「任天堂」の圧倒的なブランド力のもと,着々とその勢力を伸ばしつつあるようだ(特にアメリカでの勢いはすさまじいらしい)。
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「アニメ戦略」
「ポリスノーツ」みたいな秀作が出てくることを期待したのだが,どうやらNEC HEはアニメーションの意味を勘違いしているらしい(笑)。これならいっそ,「ギャルゲー戦略」「美少女戦略」とか名付けたほうがユーザーの受けもよかったのではないだろうか。
とか思っていたら,「電撃姫 Vol.2」にNEC HEのコメントとして「現在はさらに進んでギャルアニメ路線になりました」と載っていた。ユーザ層を固定化するだけで,閉塞化した世界を作り上げてしまうような戦略は「進める」とはいわないんだよ(笑)。そんなことをしていたら,せっかくCPUとは独立した動画専用バスを持っているFXが泣くよ,本当に。ハドソンがFXから離れてしまったのも,こういったNEC HEの極端な方針が少しは関係しているのかもしれないなあ。いま,セガサターンで「VIRUS」をやっているけれども,これなんかFXで作ったらさらに完成度が高くなったかもしれないのにね。背景やムービーの質なんか,「チームイノセント」の方がはるかに上をいっているもの。本当はこれ,ハドソンもFXでやりたかったんじゃないかなあ。ゲーム中に「バトルヒート」や「チームイノセント」が出てくるし(やりたかったらハ○ソンに移植を希望してみたら,みたいなメッセージは出てくるし(笑)。本当に移植してくださいよ>ハドソンさん。あんなにいいゲームがFXっていうだけで誰にも知られないのって,悔しくありません?)(1997/9/22)
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30フレーム/秒の動画再生機能
なんといってもFX最大の魅力はこれにつきる(ほかに魅力がないともいう)。いったんFXの動画を見てしまうと,他機種のものなど汚くて見るに耐えないものになってしまう。セガサターンの「エヴァンゲリオン(第1作目)」のオープニングなどは,同機種の動画のなかでは1,2位を争う美しさだと思うが,FXのそれとは(アニメフリーク Vol.3のカラオケフリークでエヴァのオープニングが見られる)雲泥の差がある。プレイステーションについては本体を持っていないので正確なところはわからないが,以前見た「ときめきメモリアル」のオープニングなどは動きが少しぎこちなかった記憶がある。もっともFF VIIなどはかなりきれいだったので,PSを導入すれば価値観が変わる可能性もあるのだが。なお,いくら高画質のFX(本気でやればMPEG1(ビデオCD)相当の画質になるらしい)といえども,もとの作画がきちんとしていなければ意味がないことはいうまでもない。「ファイヤーウーマン 纏組」などは作画で失敗している好例(?)といえるだろう。
FXの動画ってMPEGそのものだとかMotion JPEGだとかいろいろな話を最近耳にするのだが,結局どれが本当なんだろう? 最初に聞いたときにはオリジナルフォーマットだという話だったが...(97/3/30)
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「FX=アニメオタクのハード」
「アニメ戦略」の項でも述べたが,出すタイトルが偏りすぎているのに問題がある。アニメ路線といったって,何も美少女を出すのだけが芸じゃないのに(出てた方が個人的にはうれしいけど(笑))。もっと映画のような作品とか,そういったものを創って欲しいと切実に願う。せっかくあれだけきれいに動画を再生できるのだから,フルに活用して欲しいものだ。でも,アニメって一番金がかかるんだよなあ。FXじゃちょっと厳しいかな(開発費>売り上げになっちゃう)?
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根強いFX支持層を生み出した
はい,私もその一人です。ただ私の場合マイナー嗜好が強いので,今後曲がりなりにもFXがヒットして,爆発的に売れるなんてことにでもなれば他機種に移行するかもしれないけど(笑)。まあそれは置いとくとして,実際FXは一部の固定ユーザーがいるおかげで市場が保たれているのが現状ではないだろうか。そういった意味では上記「FX=アニメオタクのハード」的な展開も,あながち間違ってはいないとは思う。ただそれでは売れる本数の上限というものが自ずと決まってくるので,アニメをばりばりに利用した大作なんてものはコスト的に作れなくなってしまうのが苦しいところだ。
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着実にハードは普及している
雑誌の販売動向記事やNEC HEが雑誌のインタビューに回答しているところによると,それなりに順調には売れているらしい(1996年9月末で30万台前後)。とはいえ,その数は他機種(SS,PS,64)とは比較にならないのはいうまでもない。
『SUPER PCEngine FAN DELUXE Vol.2』によると,1996年9月時点での普及台数は25万台らしい。いずれにせよ,どうしようもない数字であることには違いはない(1997/5/9)
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「FX50万台普及計画」
1995年の10月ぐらいだったと記憶しているが,当時の新聞記事で「NECホームエレクトロニクス(株)は同社の販売しているゲーム機『PC-FX』にテコ入れし,50万台の普及を目指す」というものがあった。この記事にはずいぶんと期待させられたが,その後目立った広報活動や新作タイトルの発表もなく,本当にテコ入れしたのかどうかは疑問である。また,もし仮に本当に販促活動を強化していたのだとすれば,末端(=エンドユーザー)に情報の行き届かないような活動をしているとしか思えない。
なお,実際にこのような名称の計画があったわけではないことを付記しておく。
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結果に終わりました
1997年2月現在,「終わった」と過去形でいっても差し支えないだろう(^^;
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新作タイトルの発表もなく
1997年1月末,「電撃G'sエンジン」誌上で久々の新作「アルバレアの乙女」が紹介されていた。ポスト「アンジェリーク」を狙う女性向けの恋愛ゲームになるそうだ。「アンジェリーク」シリーズとは違ってFXオリジナルのゲームらしいので,うまく女性ユーザーが乗ってくれればFXにとって心強い。また,2月発売の「電撃王」誌上の新作スケジュール表に,カクテルソフトの「Pia☆キャロットへようこそ!」が入っていた。パソコンで人気のあった作品だけに,話題性は十分かと思われる。
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実現不可能
ちょっと考えればすぐにわかることだが,ゲームの規模が大きくなればなるほど開発コストがかさんでしまう。ゲームメーカーとしては当然のことながらソフトの売り上げでコストを回収しなければいけないわけで,なにもわざわざ一番売り上げの見込めないFX向けにそのような大作を出す必要はないわけだ。ただ,これはあくまでもFXオリジナルに限った話であって,他機種に移植することを前提にすれば作れないこともないのだが。
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本気で取り組んでいるのかどうか疑わしく
NEC HEにとってこんなことをいわれるのは心外かもしれないが,一ユーザーの立場としていわせてもらえば現在のFXに対する同社の取り組み方は中途半端なことこの上ない。あるときに新作タイトルを立て続けに発表したかと思えばその後数か月間何の音沙汰もなかったり(発表したタイトルの制作作業で手一杯なのかもしれないが,そもそも(ほぼ)一社だけでソフトを作っているという現状こそがおかしいのであって,もっと積極的にサードパーティーに働きかけて行くべきだろう),事前に何の予告もなくソフトの発売日を突然延期したり(実際,発売日になって店頭で初めて知ったということが何度もある。もっともこれは,単に雑誌等でのチェックが甘かっただけなのかもしれないが)と,とてもまともに取り組んでいるようには見えないのだ。また,昨年末にFX関連のホームページが開設されたときにはかなり期待したのだが,蓋をあけてみればろくに更新はされない(前述した発売日の変更についてすら載ってなかった。何のためのホームページなんだか)という有様で,雑誌の方が情報が早いという情けない状況に陥っているのが現状だ。
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現実的な案
ご存じの通り(知らないかもしれないが...),FXの最大の売りの一つに「拡張性の高さ」がある(もう一つはもちろん動画再生機能)。3つある拡張スロットのうち現在使用されているのはバックアップメモリパック用の1スロットのみ。残る2スロットのうち片方は拡張メモリ用で,もう一つは(たぶん)汎用スロットでである。これらをフルに活用すれば,十分に機能拡張ができるはずなのだが。実際,以前雑誌で紹介されていたもののなかには,モデムやFXをFXGA(パソコンの拡張スロットに挿すボードで,FXにポリゴン機能を加えたもの。同ボード上でゲーム開発を行うこともでき,現在のところCコンパイラとアセンブラの2種類が用意されている)と同等にする拡張ボードがあったのだが,どちらも発売されずに現在に至っている。なお,実は汎用スロット用にPC-98と接続してFXを外部2倍速CD-ROMドライブとして使用する「FX-SCSIアダプタ」なるものが発売されていたのだが,いまさら2倍速もないだろうということで,今回これは拡張機器の範囲には含めていない。
余談だが,FXの本体価格が高いことについて,雑誌のインタビュー記事でNEC HEの担当者がよく「FXは拡張性の高さが売りですから,決して高くはありません」といった内容の発言をしていたが,実際に製品を出してくれなければ宝の持ち腐れであることはいうまでもない。さすがにこのいいのがれも通用しないと思ったのかどうかはしらないが,今年に入ってFX本体の定価はオープン価格になったそうである。
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実現しそうにありません
上記「現実的な案」参照。本気でやる気があればとっくに実現しているはず。
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ポリゴン機能ははずせない
ポリゴンが流行りだしたころ,これも一時の流れで1,2年で廃れるだろうとか考えていたのだが(FXの開発陣も同じように思ってポリゴン機能をつけなかったのかもしれない)とんでもない,とどまることを知らずに流行は続いている。ただ個人的には,いまのポリゴン技術程度ではゲームに魅力を感じない。デモでいくらきれいな映像を見せられても,いざゲームを始めると申し訳程度にテクスチャーを貼ったキャラが出てくる程度なのが現状だからだ。リアルタイムにレンダリングしたキャラを動かせるようになれば素晴らしいのだが。ちなみに話題のFF VIIもちょっとだけやってみたのだが,思ったことは「チームイノセントのスプライトキャラがポリゴンに変わっただけ」だった。あの程度のことでどうして騒がれているのかまったくもって理解に苦しむ(あくまで技術面についてのみ。内容はやってないから言及のしようがない)。
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動画再生機能もつけてほしい
これはFXユーザーとして当然の希望。とにかくFXの動画はすごいの一言につきる。この価値観は当分の間変わらないだろう。MPEGデコーダーを内蔵するということも考えられるが,バトルヒートのようにリアルタイムで動画を制御できないようならばやめてほしいところだ(コストが高くついてしまうが)。M2(M2って何? という人。もっと3DOについて勉強しなさい! でも本当に,いつ出るんだろう?)が標準でMPEGデコーダーを積んでくるそうなので,そのあたりがどうなるのかいまから楽しみだ。
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NEC HEの現状
1997年初頭あたりだったか,NEC HEは累積赤字と株を相殺し(この辺のところ,専門用語だらけで新聞に書かれてあったので,表現が間違っているかもしれないがご容赦を)資本金が大幅に減少したとのことだ。今後経営を立て直すとも書かれてあったので,不良部門(だと思う...たぶん)のコンシューマゲーム事業関連から撤退しても不思議はない。
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遊んでいて気になること
音がしょぼいとか,ゲーム画面が汚いとか。FXって基本的にはPC Engineに動画再生機能をくっつけただけ程度の機能しかないらしい(^^;
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それなりに良質なものが多く
「虚空漂流ニルゲンツ」などは,1996年にやったゲームのなかでは「ポリスノーツ」に匹敵する出来だと思う。ほかにも「チームイノセント」や「バトルヒート」とか。それにしても,FXのゲームって新しいものほど出来が悪いように感じるのは気のせいだろうか?
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