本番(4月5日)
本番中は写真撮影していられないので画像は特にありません。もしあったとしてもゲネプロとほぼ同じなので意味ないしね。
そういうわけで本番の状況をカンタンに。
ゲネプロのあと2時間ほどの休憩をはさんで18時30分開場、19時15分開演というスケジュールで本番が始まります。そのあいだに仮の夕食。なんと運ばれてきた仕出弁当はおにぎり2個にタクアンと唐揚のついた日式弁当。驚くべき心配りだけど、個人的には中華弁当のほうがよかった。
開場時間になったと思ったら駐車場にテレビの中継車が入ってきておもむろにカメラを下ろし始めました。日本側スタッフには何も知らされておらず、呆然と見守るうちに30分少々でセッティングできたようです。速いね。そうこうしてるとどこからか“日本の衛星放送に生中継される”という噂。一時は役員が焦って日本へ連絡をとりかけたのですがガセネタだったらしくとりあえず録画だけのようです。
こんどは客席が足らなくなったとの連絡。昨日の西湖小学校訪問がローカルテレビ局のニュースで流れたため予想外の観客がやってきて、日本からやってきた保護者用に確保した席まで埋まってしまいました。パイプ椅子で補助席を作るのに中国側との交渉が難航したようですがこれも開演までにはどうにか解決したみたい。
1幕が始まりました。客席は日本では考えられない騒々しさだけど曲が終わるたびに大きな拍手があるし、テント虫が登場すると歓声があがるし、日本での公演と同じ反応が返ってくるのでちゃんと舞台を見ているようです。ステージではすべて日本語ですが、舞台の両袖に中国語の字幕を出しています。字幕を出すと日本で聞いたときはてっきりOHP程度だと思っていたのに、電光掲示板をWindows上の専用ソフトでコントロールしています。こんなシステム、美濃市文化会館にもないよ。
1幕はスムーズに終わることができました。子どもたちのテンションがちょっと上がりきっていないような気がしましたが、テント虫の子でも“舞台に出て歓声があがったときキンチョーした”っていう程度にはがんばっていたようです。客席の騒々しさも単なる習慣の違いで、日本で映画を見るときのように、字幕を読んだり次の展開を予想したりしているだけで、舞台に集中していないわけではないとのことです。あとから聞いた話ですが舞台がつまらなければ帰っていくらしい。
20時05分頃に10分間の休憩に入った頃、外で雷が鳴っていました。雨も降っているようです。だんだん雷鳴が大きくなり雨も激しく、風がひどくなってきて、いくつか落雷があったあとついに停電してしまいました。中国の電源事情がよくわからないけど現地スタッフもそれほどドタバタしていないので2幕の開演は多少遅れたとしてもきっとじきに復電するのでしょう。子どもたちには電気がついたらすぐに始めるから部屋から出ないように注意しておいてあとはただ待ちます。
油断していたら突然舞台が雨漏りしていると大騒ぎになりました。舞台に戻っても真っ暗なままでよくわかりません。いくつか懐中電灯で照らしているのを見ると舞台じゅうに小雨程度の雨が降っています。どうやら雨漏りというより舞台の天井近くの壁の窓が開けっ放しになっているため、台風のような風雨がそこから降り込んでいるらしいです。するとどこにこんなに大勢いたのかと思うくらいの現地スタッフがモップや雑巾で舞台の水を拭き取りはじめました。拭いても拭いても雨は落ちてきますが、水がたまると照明の配線が漏電するのでとにかく拭いています。この大勢の人のおかげで20時15分過ぎに復電したときも何の支障もなく舞台照明が復活しました。その他の弱電機器も雨の影響はないようです。
雷も激しい風雨も収まり舞台もなんとか収拾がつきかけた20時20分、舞台監督が2幕の開演を20時25分と決めたのでキャストや子どもたちに告知し、すぐに始まりました。2か国のスタッフがいる中で停電と雨漏りというトラブルがあったにしては奇跡的なスムーズさだったと思います。停電がちょうど休憩時間に起きたことも奇跡的なことでしょう。子どもたちもこのトラブルによってかえってテンションが上がったようで、結局2幕開演が10分遅れただけの完璧な舞台だったと思います。
本番終了後に記念撮影。
ところでこれも後で聞いた話なんだけど現場一帯の停電は深夜2時まで続いていたらしいです。児童芸術センターは別ルートからの電源も入っていてそちらは停電していなかったので数分の停電ですんだそうで、さらに現地の新聞によればこの雷と暴風雨で4人の死者が出たとか。えらい時に本番をやったものです。