電力と電力量

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いきなりそれっぽい用語の登場です。でも、これはオームの法則よりもっと生活に密着した話題ではないでしょうか。理由は最後までお読みいただくとわかります。
ではまず“電力”についてです。電力とは単位時間あたりのエネルギー量のことです。たしかISO単位では[J/S]ジュール毎秒を使うとか聞いたことがありますが、私の知識は20年前のものなのでここでは[W]ワットだけ使います。エネルギー量なんていって難しく考えると難しい話になりますが、カンタンに考えればごくカンタン。300Wの電気ストーブより800Wの電気ストーブのほうが暖かいですね。それだけのことです。
電力は次のように説明できます。

物体で消費される電力は、そこに加わった電圧と流れた電流の積に比例する。
回路図

です。物体については“オームの法則”のところと同じ概念です。数式で書くと

P=E×I
……………(1)
P:電力[W]
E:電圧[V]
I:電流[A]

となります。
ついでに上の式も変形しておきましょう。

I=P/E
……………(2)

E=P/I……………(3)

800Wの電気ストーブ、32W+32Wの蛍光灯とか気軽に使いますが、それぞれ電源コードにはどれだけの電流が流れているのか、計算してみましょう。ちなみに、家庭で使っている電圧は普通100Vです。
ところで、電力は最初に“時間あたりのエネルギー量”と書きました。ではエネルギー量はというと、電力量と呼びます。

電力量は、消費される電力と消費した時間の積に比例する。

同じ800Wの電気ストーブでも1時間使ったときより2時間使ったときのほうがたくさん暖かくなりますね。数式では

Q=P×T
……………(4)
Q:電力量[Wh]
P:電力[W]
T:時間[h]

ちょっと電気代の請求書(とか領収証とか検針票とか)を見てください。“電力量料金 ****kWh *****円”という項目があって電気代の内訳で一番大きい金額になっていると思います。“k”の部分は“単位の接頭語”を参照してもらうことにして、Whが登場しています。つまり電気代は(4)式の“Q”で計算されているのです(基本料金の部分は除く)。(4)式をもう1回じっくり見ていると、電気代の節約には何をすればよいかわかってきませんか。Pを小さくするか(つまり使う電気製品をへらす)、Tを小さくするか(電気製品を使う時間を減らす)すれば電力量は小さくなり、電気代も安くなるわけです。ここから先の具体的なことはそれぞれの生活に合わせて自分で考えましょうね。

もういっこオマケのネタ。最近は屋根にソーラーパネルを乗せたり、電気を購入する会社を選んだりできるようになってきたので追記します。まず、ソーラーパネルを乗っければ上の式のQから差し引きされますの電気代が安くなるみたいです(みたい、というのは、我が家にはまだソーラーパネルを乗っけてないから)。それから、”電力量料金 ****kWh *****円”という表示には実は「電力量 ****kWh × 単価 **.**円 = 電力量料金 *****円」という計算式が隠れているので、単価を減らしても電気代が安くなりますね。これが新電力会社の宣伝文句になっています。ここもどう選ぶのかは自分で考えましょう。

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