モータ(直流モータその2)

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これまで2種類のモータについて書いてきましたが、いずれも磁石のNとSの反発・吸引を使っていました。そして、モータの軸を回し続けるために色々と工夫されていました。
では、回転できる磁石の周りに作るN極とS極を自由に操ることができたら、モータの軸をもっと自由に、いろんな回転数で右でも左でも好きな方へ回すことができるはずです。なぜそんなモータがなかったのか、話はカンタンです。電磁石でN極とS極を自由に操れなかったからです。回転するS極を引っ張るには少し離れたところにN極をつくればいいだけなんだけど、そのためには相手のS極がどこにあるのかを正確に素早く検出しなければなりません。ここだ!という瞬間に電磁石でN極をつくってもその時にはもう通り過ぎてるかもしれません。そうすると回転と逆向きに磁石が引っ張られてしまいます。
そしてこの機能はシンプルに(故障しにくく)安価に提供されなければなりません。モータはけして単体で使われるものでなく、「何か」を動かすだけの部品でしかないのです。そんな部品にパソコン1台分などというような予算はかけられないのです。
そして21世紀に入ろうとするあたりから、この「回転する磁石(回転子)の位置を正確に検出し素早く必要な信号を出す」ということがエレクトロニクスの進歩によって安価に実現できるようになり、PCの冷却ファンをはじめ扇風機や掃除機にまで採用されるようになってきました。
モータなのに三相交流電源がいらない、インパータもいらない、スリップリングやブラシもいらない、VVVF回路もいらない、必要な回路は高度な内容なのにICに収まる、そして細かく調整ができるから節電もできる、なんて夢のようなモータができあがりました。
DCブラシレスモーター」と呼ばれて家電品の宣伝文句にたくさん使われているので、目にした人は多いでしょう。ただし、そのコントロールする部分は高度な電子回路なので私の専門外です。
肝心なところに触れることができなくて申し訳ありません。

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