モータ(直流モータ)

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直流モータとタイトルをつけてみましたが、直流モータにもいろいろな種類があって、私の知識では網羅することができません。とりあえず“マブチモーター”に代表される方式をネタにしてみたいと思います。ほかにも身近な直流モータには、電車のモータ、PCの冷却ファンなどがありますが、まったく詳しくないので後回し(またはボツ)にします。
直流モータ
直流モータも、動く原理は誘導電動機と同じです。ただし、流れる電流が直流なので、磁石はくるっと回ってそこで止まってしまいます。どうしたらよいでしょう。磁石がくるっと回った瞬間に電池を逆向きにつなぎ変えれば、さらにもう半回転し、そこでまた電池を逆向きにして……というのはとても難しいですね。それくらいなら交流を使います。
スリップリング
そこで磁石とコイルを入れ替えました。磁石を固定してコイルを回してみましょう。といっても、回っているコイルにどうやって電気を流すかというと、スリップリングという仕組みを使います。軸の端のほうに軸と一緒に回るんだけど軸とは絶縁した金属のリングを2本巻きつけて、それをコイルにつなぎます。そのリングにボディと固定した接点を触らせて、その接点を電源につなげば、接点とリングを通じてコイルに電流が流れます。スリップリングの仕組みは、掃除機などの巻き取りコードの根元に使われていますね。それから戦車や軍艦の砲塔でも使われていたとのことです(こっちは実物を見たことがない)。
直流モータ
これでコイルに電気は流れますが、このままではやっぱり半回転したら止まります。そこで、1本のスリップリングを縦に分割して、それぞれをコイルの両端につなぎます。スリップリングに触る接点は向かい合わせておきます。こうすると、コイルが半回転すると、自動的にコイルに流れる電流が反対になって、もう半回転します。そしたらまたコイルに流れる電流が反対になって…モータは回り続けることができるようになりました。ま、そのためにコイルが回るようにしたんですけどね。
小学校の理科で習うモータの原理はここまでです。でも、2つのリングと2つの接点では、まったく電気の流れない位置、またはショートしてしまう位置ができてしまいます。回っている途中なら勢いで通過できるのですが、止まった位置が運悪くそのような位置だと、次にスイッチが入ったとき回り始めることができません。実際のマブチモータでは、3つのコイルと3つのリングがあり、これに2つの接点を接触させて、常に回り始められるようになっています。やっぱり頭いいですね。
※おまけ
リングのすきまを大きくしてそこで回転を止めると電気が流れず、電源スイッチのいらないモータがありました。単三電池1本の電池ケースと一体で作られ、組み込むことができるプラスチックモデル(主に1/48くらいのプロペラ飛行機)もあったのに、検索してもどこの会社のどんな製品なのかわかりません。確かマブチモーターのミニモーターって製品だったような気がするんだけど。“水中モーター”ほどメジャーじゃなかったもんなぁ。
と、長い間はっきりしたことが思い出せるわけでもなくモヤモヤしていたのですが、この間いろいろと検索をしていてやっと見つけました。マブチモーターの“ミニベビーモーター”という商品名でした。パッケージの具合も記憶のとおりです。転載するのはよくないでしょうから、興味のある方はご自分で検索してみてください。商品名まで分かったのでもう簡単でしょう。

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