2.携帯電話と医療機器(心臓ペースメーカ)
●Javaが開発された経緯
Javaは,1990年に米Sun Microsystemsで
開発が始まりました。このプロジェクトはグリーン・プロジェクトと呼ばれ、その
目的は,家電製品に組み込むマイコン用のプログラムを記述するための統一的な
プログラミング言語を開発することでした。様々な機種の家電製品で同じプログラムを
動作できれば,プログラムの開発コストを大幅に削減できます。このコンセプトは,
Write Once Run Anywhereと呼ばれます。プログラムを一度記述すれば(Write Once),
それがあらゆる環境で動作する(Run Anywhere)という意味です。(図1)
●インターネットとともに普及したJava 1993年にWebブラウザの元祖であるMosaicが
発表され,1994年にNetscape Navigatorが登場し,インターネット・ブームの幕開け
となりました。Webブラウザを使って,世界中の情報を収集できることは,コンピュータの
利用形態に大きな変化をもたらしました。このころのWebページは,文字や画像を
表示するだけのものでしたが,その後Webページの中でプログラムを実行するまでに
進歩していきます。 グリーン・プロジェクトでも,インターネットへの対応を考えるようになります。 そして1995年Javaとして公式に発表されました。この年は,Windows 95の登場が パソコンの普及に拍車をかけ,インターネット・ブームが加速してきた時期でも あります。Javaで作成されたプログラムとしてHotJava(ホット・ジャバ)が 公開され,大きな話題を呼びました。HotJavaは,Javaが稼働するあらゆる機種の コンピュータで動作するWebブラウザです。 HotJavaでは,Webブラウザの中でJavaプログラムを実行できました。いままで 文字と画像しか表示できなかったWebページ上で,プログラムが動作することは, かなり衝撃的な出来事でした。当時の展示会では,Webブラウザの中で動画を 実行するデモがしきりに行われていたため,Javaが動画再生のためのものだと 誤解していた人も多かったようです。 ●Netscape NavigatorがJavaをサポートする1996年に,Netscape Navigator 2.0がJavaをサポートすることを発表しました。 当時シェアNo.1のNetscape NavigatorがJavaをサポートしたことで,Javaは一気に 日の目を見たのです。「Webブラウザで動作させるプログラムはJavaで作る」という イメージができあがりました。Javaに似た構文のスクリプト言語であるJavaScript (ジャバ・スクリプト)も登場しました。一方,インターネット対応に遅れをとったマイクロソフトは,Internet Explorer というWebブラウザを発表し,その中でActiveX(アクティブ・エックス)と呼ぶ プログラムを実行することで,巻き返しを計りました。Javaという言葉のインパクトが 強かったため,「ActiveXとはマイクロソフトのインターネット技術の総称である」 として,勢力を争っていました。その後Java陣営とActiveX陣営の切磋琢磨によって, 技術は急速に進歩していきます。なお,Internet Explorerでも,Javaをサポート しています。 ●JDKの無償提供でJavaプログラマが増加する
●現在のJava
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