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特殊な調弦
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3弦、4弦バスには一般に四度、五度あるいはこの両者の混じった調弦がなされたが、希に短三度、あるいは長三度が四度や五度と共に用いられる調弦も存在した。GaevertのものはE−2,G−2,D−3,A−3という五度と短三度による調弦であり、又EchlinのものはF−2,A−2,D−3,G−3という四度と長三度の混じった長弦である。又Kastnerによれば、ベニスのコントラバシストJohann HindleはA−2,D−3,F#−3,A3tぽい四度、短三度、長三度の混じった調弦をしたという。さらに彼はE♭調の曲を演奏するとき、各弦を全て半音揚げ開放弦を多用出来るようにした。 1844年出版されたWenzel Houseのエチュードには、Bass−Baritoneと呼ばれた小型バスの為の、A−2,D−3,G−3,C−3という高い調弦及び大型バス様のH−1,E−2,A−2,D−3という低い調弦法が記されている。このH−1はバスの最低音である。この他、Caimmi,Conti,Dall Aglio, Gouffe,Labro,Negri等のエチュードが出版されている。
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5弦バス
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17世紀に一般的であった5弦バスは、レオポルド.モーツァルトが有名なヴァイオリンの奏法論を出版した1756年頃には既にあまり使われていなかった。彼は五弦でフレットのある大きなVioloneについて以下の様に述べている。 「この様なバスは難しい楽句を演奏するのに便利な物かも知れない。私はその楽器による協奏曲、三重奏、ソロを聞いたがそのうちのある物は非常に美しかった。しかし、この楽器が如何に表現の上の能力に優れようとも、それに伴って欠点があらわれていることに私は気がついた。三弦や四弦のバスに比べて弦が力不足であり、又あまりに接近しているのでしばしば二つの弦が同時に鳴ってしまうのである。」 Simandlとも親交のあったライプツィヒゲヴァントハウスのCarl Ottoはバスに現在のように第五弦を加えた。Simanndlは。 「Ottoは単に第五弦をバスに加えたのであるがそれは充分に成果あるものであった。Hans von Bulowは自らが指揮するベートーヴェンチクルスにこの五弦バスを用い、又数多くのオーケストラにこの楽器を紹介した。」と述べている。 五弦バスは普通四度でH−1,E−2,A−2,D−3,G−3と調弦されるが、第五弦はしばしばC−2とも調弦される。5弦バスは低いDやCに達する広い音域を持ち、しかも五度調弦の4弦バスの様な技術上の困難さもさほどない。しかし、どうしても大きくなるため(特に指板や駒)4弦の楽器に押されてしまったのである。 現在最も標準的で広く普及している四度調弦の4弦バスは、音色が明るく力強いが音域の狭い三弦バスと、音域は広いが弾くのにやっかいな五弦バスとの妥協的産物ともいえよう。
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C−アタッチメント
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特にアメリカで多くのプロのバス弾きは5弦バスを用いたりE線を下げたりするのでなく、C−アタッチメント(C−エクステンション、C−マシーン)と呼ばれる装置を用いバスの音域を拡げている。Richard Straussによると、この装置はドイツの音楽家Max Poikeによって発明されたそうで、現在はヨーロッパにおいてはGlaesel,アメリカではFred C.Winterhalter等で量産されている。この装置は糸巻箱と渦巻の上に備えられ、E線が上方に拡張されてC線となるのである。そしてネックの横に四つのキーが付けられ、それぞれのキーを押さえるとE,Es,D,Desが出せる様になる。
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