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参考文献(その3)
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30.R.Elgar Looling at the D.B.(Sussex:R.Elgar 1967)
コントラバスの音程
コントラバスは、あまりにその1音を構築する際に開く間隔・あるいはそのネックの間隔が長く広いから、各音程のツボをどのように捉えているか皆さんは疑問に思われるであろう。
コントラバス奏者はひたすら練習して左腕でその全てのポジション感覚を覚えてしまっているのであろうか?確かに感覚的にある程度身体に染み込んでいることは確かである。
 しかし、楽器の個体差が非常に大きく、また、個人所有の楽器とは別のオーケストラ所有の楽器等、自らがいつも演奏する楽器でない楽器を用いて演奏する機会が最も多いのもコントラバスであるだろうから、そうであるなら、複数の楽器の音程のツボをコントラバス奏者は覚えなければならないという困難にぶちあたる。
 さらにヴァイオリン、ヴィオラの演奏と異なりことなり、自らの指板上の運指・演奏中の譜面・指揮者のタクトがほぼ1直線上に並び、同一の視覚上でこれら3点に同時に注意を払うということはコントラバスでは不可能である。譜面と指揮者のタクトはかろうじて同時に見て感じることはできるが、これに加えで、自分の真左にある指板上、弦を押さえる左手指の位置を視覚で演奏中いちいち確認することは困難である。
 いくら耳がよくても、シフティングの感覚を身につけていなければ、始めから正しい音程で演奏することは不可能であるし・・・コントラバスの演奏とはかくも困難なものなのである。
とはいっても多くのコントラバス演奏家は本当にこのような難問をなんの手助けもなくすべてクリアし、正しい音程を構築するシフティングのテクニックを身につけているのだろうか?
実は、
 1.上ナットからの間隔、
 2.ネックの裏側のL字状となっている部分からの間隔
この2つの点を手がかりとして、そこからの距離を、瞬時に左手1の指あるいは左手掌の小指側の腹の部分でとらえ、音程のツボをとらえているのだ。
 演奏する前に十分左手で弦を押さえる位置をチェックできるような曲ばかりではないので、コントラバス奏者はこの2つの手がかりを元に、シフティングの位置を視覚上で確認しなくとも演奏ができるように練習しているのだ。