魂柱
日本で用いられているこの魂柱という呼び名は、そのフランスでの呼び名L’ame(魂)に夜のであるが、この事からしてもこの部品の重要性が理解できるであろう。Heron Allen は魂柱をバスバーと共にヴァイオリンの神経系統とさえ呼んでいるのである。
Giltay は魂柱の機能として以下の4点を挙げている。
1.接触している部分において表板の振動を減少させる。
2.表板を良い音を作り出す機関にさせる。
3.表板の振動を裏板に伝える。
4.弦の振動に表板が耐えられる様にする。
魂柱は駒の右足後方に、その直径と同程度の間隔を開けて置かれる。又、この際、魂柱の木目が表板の木目と直角になるようにする。材質はバスバーと同様、松が一般に用いられている。「魂柱の直径はバスバーの幅に等しく、その長さは11.5パーツであるべき多。」とOttoは述べているが、実際の値は直径11/16インチ(17.1ミリ)程である。(長さは当然のことながら楽器の厚みにより異なる。)
ライニング(Lining Strip)
バスの表板、裏板は同じように横板と膠によって糊付けされるが、この接合部分はライニングにより補強されている。楽器の内側に備えられるライニングは柔らかい材質の木、例えば松や柳で出来ているが、外側のライニングは、普通横板と同じ素材で出来ている。
ブロック(Block)
中胴の4つの角と、胴の上下、以上6カ所に設けられるブロックは、楽器をより一層強固にする働きを成している。又、4つのコーナーブロックは上・中・下の各胴を形成する横板をきっちりと合わせ、つなげる役目も果たしている。ネックブロックは、ネックに接する部分がベル型に削られてネックと木組みの様につなげられる。この部分は弦の張力に耐える為、極めて強固でなければならず、非常に堅い木によって出来ている。テールブロックも、テールピースからワイヤーまでの弦の非常に強い張力に耐えなければならないのでしっかりと作られている。
バスのブロックは他の弦楽器と比較し非常に大きいが、松や柳等の柔らかめの木によって作られる。良い楽器には、外見では判らないこれらブロックに対しても注意がよく払われて丁寧に作られている。