昆虫は、何百という小さな眼(個眼)が集まった「複眼」を持っています。
バッタをモチーフにしている仮面ライダーの眼も、複眼がリアルにデザインされてますね。
ひとつひとつの個眼にはレンズがあり、レンズの奥にある網膜細胞から神経が脳へつながっているので、
個眼で感じた光の情報はすべて脳に伝達されています。
しかし、脳で数百の光の情報(像)はいったいどのように合成されているのでしょう。
ひとつの大きな像として見えているのか? それとも個眼の数だけ像が見えているのか?
最新の説についてはよくわかりませんが、まだ定説がないのでは?と思われます。
(たしか西東京市の多摩六都科学館に、昆虫の目で見た世界を疑似体験する展示物があった)
科学的な話はさておいて・・・・・
常々夜間の樹液採集に出かけた際に感心していたのは、夜行性昆虫の「光に対する感覚の鋭さ」です。
ほんのわずか懐中電灯の光が樹をなめただけで、反応して逃げてしまう。
これは、もしかしたら「複眼である」ということもその一因ではないだろうか、という気がしてきました。
下の写真は、ガラスの球面を多面カットした「昆虫なりきりグッズ」であります。
これをもとに、ムシの気持ちになって複眼のすごさを感じてみましょう!
▲メイド・イン・ドイツ。700円くらいだった。
さて、真っ暗闇に電球をひとつつけた状態です。
人間がみたらこうですが・・・
多面カットの「擬似複眼」で上記の電球をのぞいてみると、
このようにたくさんの光の情報が捉えられるはず。
▲デジカメをガラスにつけて接写。
つぎに、電球が横に動いた場合です。
人間にはこう見えますが・・・
▲たいしてうるさくない感じ。
擬似複眼でみると、こ〜んなに光の動きが激しくなりました。
人間と比べると、とんでもなく大きな刺激ですね!
▲こりゃ、誰だって危険が近づいたことがわかるな・・・。
想像でしか語れませんが、複眼で感じた光が脳で一つの像に結実されるとしても、
それが収斂されれば何百倍もの光量と動きになるのではないだろうか。
各個眼を通った光エネルギーは、電気エネルギーに変換されて脳へ伝わります。
単純に、電流の数値の総和として考えてもすごいはず・・・。
なお、複眼の構造は昼行性か夜行性かで違いがあるようですが、くわしくは専門書で
調べてくださいね。