技術講座
コピーガード講座


コピーガードとは、レンタルビデオや市販ビデオのダビング防止を目的とした信号のことです。 これはVTRのみ影響を及ぼし、テレビへの影響はほとんどありません。(液晶プロジェクタなどはその限りではありませんが・・・。) では、そのコピーガードとはどのようなモノか簡単に解説していきます。

コピーガード信号は映像信号の第10ラインから第21ラインの間に挿入されています。このラインは垂直同期終了後から実際の映像信号が 含まれる第22ラインまでの帰線消去期間にあり、テレビには映りません。この信号が同期を乱したり、常にレベルを変動させ、 ビデオデッキのAGC回路を誤動作させます。AGCとはAutomatic Gain controlの略で日本語では自動利得調整。簡単に言えば明るすぎる 画面や暗すぎる画面を自動的に見やすいように調節してくれる回路のことです。古いビデオデッキなどの一部にはこのAGC回路 を持たない機種があり、その結果コピーガード信号の影響を受けないことがあるようですが、 ほとんどのビデオデッキはご丁寧にもこのコピーガード信号に 反応するように作られています。ただしHi8などの8mmは映像記録帯域が広く、ACG回路を持たないためコピーガード信号ごとコピーすることができます。 この信号が発生している部分を他の信号に差変する装置がコピーガード信号キャンセラーです。しかし法律の改正で現在ではコピーガード信号を除去する装置は発売禁止になっています。 では、実際にコピーガード信号を目で確かめてみましょう。


コピーガード信号1

画面中央あたりに見える□■□■□・・・がコピーガード信号です。当然ですが普通のテレビでは見えません。
ちょっと古いタイプのテレビで垂直同期がいじれるものでしたら、見ることが可能です。




影響有り

画面左側が元画像、右側がビデオデッキに通した画像。明らかに右側の画像はコピーガード信号の影響を受けて 画面全体が暗くなってしまっています。上の画像の白い□の影響で、ビデオデッキのAGC回路が明るすぎる画像と勘違いして画面全体を暗くしてしまっています。




WFM

このときの状態を、波形モニタで見たところです。Y軸方向が明るさで上に行くほど明るい画像ということです。 100%を越えています。

※デジカメで波形モニタを撮るのが難しく、見にくくてごめんなさい。




コピーガード信号2

こちらでは先ほどの□が■に変わっています。じつはこの□は一定周期で□→■→□と変化しています。 ■の時は特にAGC回路に悪影響を及ぼすことはありません。




影響なし

■の状態なのでコピーガード信号の影響はでていません。この□のレベル変化によって画面が明るくなったり暗くなったり します。




WFM

さっきの状態と比べて一目瞭然だと思います。

※こちらも見にくくてごめんなさい。




画像安定装置

ちなみにコピーガードキャンセラーを使うとこの□の部分が他の信号と入れ替わるため□は消えてしまいます。最近話題の画像安定装置の中には同様の機能があるモノもあるようです。

※コピーガードの種類や画像安定装置に興味がある方は、 こちらのサイトで詳しく紹介されています。