『HOBBIT』 旧訳・新訳対応表


 以下の表は、
瀬田貞二訳『ホビットの冒険』
(「旧訳」・底本は1993年4月8日初刷「岩波世界児童文学全集版」)と
山本史郎訳『ホビット ゆきてかえりし物語』
(「新訳」・底本は1997年11月10日初刷)
の翻訳の相違について調査したものです。不完全な部分や恣意的になった部分もあると思います。お気づきの点については遠慮なくお知らせください。
 
また、高橋誠氏による的確な指摘がこちらで見られます。(1998年3月1日追記)


新       訳

旧       訳 原      書 備       考
「川」 「流れ」 The Water  
アゾーグ 該当なし Azog ゴブリンの王
アルケンストン アーケン石 Arkenstone ドワーフの至宝
荒れ地 荒地のくに Wilderland  
アンダーヒル(丘の下街) 山の下 Underhill  
ウィリアム(ビル) ウイリアム William

3人のトロルのひとり

海のエルフ(妖精) 海のエルフ Sea-elves  
エスガロス エスガロス Esgaroth 「湖の町」の旧名
エルフ(妖精) エルフ elves  
エルロンド エルロンド Elrond

もちろん、エルロンド

オイン オイン Oin 13人のドワーフのひとり
大男 大きい人 the Big People 人間のこと
大川 大川 Great River  
オーク(食人鬼) オーク orcs  
大舘 官邸 Great House  
お山 The Hill  
オリ オーリ Ori 13人のドワーフのひとり
オルクリスト オルクリスト Orcrist エルフの名剣
鴉の丘 からすが丘 Ravenhill  
ガリオン ガリオン Galion エルフの執事
カルク カーク Carc 大ガラス
岩石巨人 石の巨人 stone-giants  
ガンダルフ ガンダルフ Gandalf 魔法使い
キャロック 見張り岩 Carrock  
キリ キーリ Kili 13人のドワーフのひとり
ギリオン ギリオン Girion 渓谷のかつての王
霧の山脈 霧ふり山連山 Misty Mountains  
グラブ・グラブ・バロウズ商会 うじ・うじ・もぐり商会 Messrs Grubb,Grubb,and Burrowes

ビルボの家を競売にかけていた商会

クラム 「たらふく」 cram ドワーフの携帯食
グラムドリング グラムドリング Glamdring エルフの名剣
グラム山 グラム山 Mount Gram  
グリーン・フィールドの闘い 緑ヶ原の戦い the Battle of Green Fields  
グロイン グローイン Gloin 13人のドワーフのひとり
グンダバッド グンダバード Gundabad ゴブリンの首都
荒野の果て 荒地のくにのさかい Eadge of the Wild  
ゴクリ ゴクリ Gollum

もちろん、ゴクリ

五軍の戦い 五軍の戦い the Battle of Five Armies  
ゴブリン(悪鬼) ゴブリン goblins

『指輪』ではオーク

ゴブリンの首領 大ゴブリン Great Goblin  
ゴブリンを裂くもの ゴブリン退治 Goblin-clearer 「オルクリスト」の意味
ゴルフィンブル ゴルフィンブール Golfimbul グラム山のゴブリンの王
ゴンドリン ゴンドリン Gondolin  
最後の寛ぎの家 「さいごの憩」館 Last Homely House

エルロンドの館の異称

最後の砂漠 いやはての砂漠 the Last Desert  
最初の寛ぎの家 「はじめの憩」館 First Homely House エルロンドの館の異称
サックヴィル・バギンズ サックビル・バギンズ Sackville-Baggins

 

寂しい山 はなれ山 Lonley Mountain  
正面の門 表門 Front Gate  
スティング つらぬき丸 Sting  
スモーグ スマウグ Smaug  
スレイン スライン Thrain ソーリンの父(U世)
スロール スロール Thror ソーリンの祖父
スロールご自慢の部屋 スロールの朝見の間 the chamber of Thror  
ソーリン・オウクンシールド トーリン・オーケンシールド Thorin Oakenshield 13人のドワーフのひとり
たに(渓谷) 谷間の町 Dale  
樽乗り たるにのるぞう Barrel-rider ビルボがスモーグに名乗った偽名の一つ
地のエルフ(妖精) 地のエルフ Deep-elves  
町長 町の頭領 the Master of the town  
デイン ダイン Dain ソーリンのいとこ
敵をたたきのめす 敵くだき Foe-hammer 「グラムドリング」の意味
鉄の丘 くろがね山 Iron Hills  
デューリン デューリン Durin ドワーフの始祖
トム トム Tom

3人のトロルのひとり

ドラゴン(邪竜) ドラゴン dragon  
ドリ ドーリ Dori 13人のドワーフのひとり
ドルウィニオン ドルウィニョン Dorwinion  
トロル(巨鬼) トロル trolls  
ドワーフ(矮人) ドワーフ dwarves  
ドワリン ドワーリン Dwalin 13人のドワーフのひとり
ながれ(急流) はやせ川 the River Running(the Running River)  
ナンタルチア! うどの大木じゃな! Great Elephants ! 気になる言葉…
西の高地のエルフ(妖精) 西のくにの上のエルフ High Elves of the West  
西の妖精の国 西のくにの妖精族 Fearie in the West  
ネイン ナイン Nain デインの父
ネクロマンサー(食屍魔) 死人うらない師 Necromancer 『指輪』でのサウロン
ノリ ノーリ Nori 13人のドワーフのひとり
バーグラー(押入) 忍びの者 Burglar

ドワーフたちはビルボをこう呼ぶ

バート バート Bert

3人のトロルのひとり

バード バルド Bard ギリオンの子孫。スモーグを射殺す。
灰色山脈 たそがれ山の山脈 Grey Mountains  
バイター(噛みつき魔) かみつき丸 Biter 「オルクリスト」のゴブリン間での通称
バキンズ    p116L14 バギンズ

Baggins

ゴクリ独特の口調を意識した意訳か?誤訳か?
バギンズス   p121L3,L16 バギンズ

Baggins

ゴクリ独特の口調を意識した意訳か?誤訳か?
バグ=エンド(袋小路) 袋小路 Bag-End  
バリン バーリン Balin 13人のドワーフのひとり
ビーター(叩き魔) なぐり丸 Beater 「グラムドリング」のゴブリン間での通称
東の国 東のはて East of East  
光のエルフ(妖精) 空のエルフ Light-elves  
ビファー ビフール Bifur 13人のドワーフのひとり
ビョルン ビヨルン Beorn  
ビルボ・バギンズ ビルボ・バギンズ Bilbo Baggins もちろん主人公
フィリ フィーリ Fili 13人のドワーフのひとり
ブラドルシン ブラードルシン Bladorthin かつての偉大な王
ブルローラ 「うなり牛」 Bullroarer 『指輪』では「牛うなり」
ブンゴ・バギンズ バンゴ・バギンズ Bungo Baggins ビルボの父
フンディン フンディン Fundin バリンの父
ベラドンナ・バギンズ ベラドンナ・バギンズ Belladonna Baggins ビルボの母
僕チン いとしいしと my precious うむむの意訳
細長い湖 たての湖(うみ) the Long Lake  
ホビット ホビット hobbit  
ホビトン市 ホビット村 Hobbiton  
ボファー ボフール Bofur 13人のドワーフのひとり
ホブゴブリン(邪鬼) ホブゴブリン hobgoblins  
ボルグ ボルグ Bolg 北の国のゴブリン王
ボルグの親衛隊 ボルグの用心棒 the bodyguard of Bolg  
ボンバー ボンブール Bombur 13人のドワーフのひとり
マークウッド(闇の森) やみの森 Mirkwood  
魔の川      p195L15 魔の川 the ebchanted stream  
魔法の川     p195L7 魔の川 the ebchanted stream  
汀町 水のべ村 Bywater  
湖の町 湖の町 Lake-town  
ムーン文字(月文字) 月光文字 moon letters  
モリアの炭鉱 モリアの鉱山 the mines of Moria  
森のエルフ(妖精) 森のエルフ Wood-elves  
森の川 森の川 Forest River  
山の王 山の下の王 King under the Mountain  
山道 大峠 High Pass  
ラダガスト ラダガスト Radagast ガンダルフのいとこにあたる魔法使い
リヴェンデル さけ谷 Rivendell  
緑竜亭 緑竜館 Green Dragon Inn  
ロエク ロアーク Roac カルクの息子
ロング・ビアズ(長鬚一族) 長ひげ族 Longbeards  
鷲の王 ワシの王 Lord of the Eagles  
ワルグ アクマイヌ Wargs 『指輪』ではワーグ